2009.03.06 基生研セミナー
記憶の分子動態機構
川人 光男 ((株) 国際電気通信基礎技術研究所(ATR) 脳情報研究所 所長)
2009年03月06日(金) 16:00
明大寺地区1階会議室(111)
脳生物学研究部門 渡我部 昭哉 内線7616
バクテリアからヒトまで記憶の実態を分子や形態に還元するアプローチは、分子のターンオーバーを考慮すると、多重な安定状態を持つダイナミクスが本質であるという結論に導かれる。最近になって、概念的、理論的に過ぎなかったこのような仮説が、システムズバイオロジーの手法と分子神経生物学の共同作業によってほぼ証明されつつある。少ない分子数に起因する揺らぎの下で、微弱なシグナルにより形成された記憶がどのように長期安定的に保持されるかの可能な分子動態機構について議論する。