2007.12.06 基生研セミナー
オルガネラ分裂機構から細胞内共生を探る
宮城島 進也 (理化学研究所 フロンティア研究システム 宮城島独立主幹研究ユニット・独立主幹研究員)
2007年12月06日(木) 15:00 より 16:30 まで
明大寺地区職員会館2階大会議室
分子細胞生物学研究部門 鈴木邦律 内線7518
葉緑体とミトコンドリアは、それぞれシアノバクテリア、αプロテオバクテリアの細胞内共生によって成立したと考えられており、真核細胞内でバクテリアと同様に分裂して増殖する。しかしながら、葉緑体もミトコンドリアも、細胞内で自律的に増殖するわけではなく、その増殖は宿主の細胞によって完全に制御されている。我々は、宿主が細胞内共生体の分裂増殖を如何にして制御し、恒常的な共生関係を獲得したのかを理解するために、主に葉緑体の分裂機構とその制御機構を解析している。本セミナーでは、高等植物(シロイヌナズナ)、原始紅藻(シアニディオシゾン)、シアクバクテリア(シネココッカス)、アメーバ(細胞性粘菌)などで得られた結果を基に、葉緑体の分裂装置の構成、その進化的な変遷などについて議論したい。