2018.04.12 臨時所内セミナー
様々な生物のゲノムを“Reading”して“Editing”する時代へ:両生類における遺伝子ターゲティングや発生・変態・再生研究を例に
鈴木 賢一(基礎生物学研究所 クロスアポイントメント特任准教授)
2018年04月12日(木) 16:00 より 17:00 まで
明大寺地区1階 会議室 (111)
研究力強化戦略室 評価・情報グループ 児玉 隆治 (7578)
近年の次世代シークエンス技術とゲノム編集技術の登場によって、「様々な生物のゲノムを“Reading”し、“Editing”して研究できる時代」が到来し、今後の生命科学研究はより広く深く発展していくと思われます。
私は両生類の変態や再生現象に興味を持ち研究を行なっています。甲状腺ホルモンによりオタマジャクシがカエルになったり、切断されたイモリの肢が元どおりに再生したり、大変ユニークなテーマです。これらの興味深い生命現象に深くアプローチするため、ゲノム編集技術に早くから注目し、その確立に努力してきました。CRISPR-Casを用いた超高効率な遺伝子ノックアウトによって、Crispantと呼んでいるファウンダーでの遺伝子機能解析が可能となり、両生類研究における新時代の研究戦略として大いに期待されています。また、私は世界で初めて両生類において遺伝子ノックインに成功し、その際に開発した新しい技術は現在様々な生物種に応用されています。これまでに確立した遺伝子ターゲティング技術を用いて、両生類の変態や再生に関してもユニークな結果が得られつつあり、面白くなってきたところです。
本セミナーでは私のこれまでの研究成果から、ゲノム編集に関する内容を中心に、遺伝子ノックアウトを通して見えてきた両生類の変態や再生現象についても紹介する予定です。また、所内の研究室との積極的なコラボレーションを希望しており、多くの先生方のご意見やご感想を賜れれば幸甚です。
基礎生物学研究所 クロスアポイントメント特任准教授
広島大学 大学院理学研究科 ゲノム編集研究拠点 特任准教授
(2018年4月1日発令)