2014.12.08 臨時所内セミナー
サンゴの白化機構:共生する褐虫藻の温度感受性
環境光生物学研究部門 高橋 俊一
2014年12月08日(月) 15:00 より 16:00 まで
明大寺地区1階 会議室 (111)
研究力強化戦略室 評価・情報グループ 児玉 隆治(7578)
褐虫藻(Symbiodinium)は、造礁サンゴ等の刺胞動物に細胞内共生し、それらの成長や生存に必要な栄養源(光合成産物)を供給している。Symbiodiniumは遺伝的に異なる多くのタイプが存在し、タイプの違いにより、光合成活性や光合成のストレス感受性(例えば高温や強光)が異なっている。そのため、どのタイプのSymbiodiniumが共生するかにより、刺胞動物の成長や生存が大きく左右される。近年、海水温の上昇によるサンゴの白化が問題となっているが、この白化にもSymbiodiniumのタイプやその温度感受性が大きく関わっていることがわかっている。私はこれまで、サンゴの白化機構や白化感受性機構の解明を目指し、褐虫藻の高温ストレス機構に関する研究を進めてきた。最近は、サンゴが新たなタイプの褐虫藻を取込んで環境適応する現象に興味を持ち、褐虫藻の取込み機構に関する研究も進めている。今回のセミナーでは、これまでの私の研究と今後の研究課題について紹介させていただく。