2023.08.08 部門セミナー
液ー液相分離が担うオーキシン極性輸送の制御機構
古谷 将彦 准教授(熊本大学・国際先端科学技術研究機構)
2023年08月08日(火) 14:00 より 15:00 まで
基生研 明大寺地区1階 第2セミナー室 (141-142)
植物環境応答研究部門 森田(寺尾)美代(7556)
植物ホルモンであるオーキシンは方向性を持って細胞間輸送され、植物体内で不等分布を形成することでさまざまな生理応答を引き起こす。その細胞間輸送はオーキシン極性輸送と呼ばれ、細胞膜上に極性を持って局在化するオーキシン排出担体 PIN-FORMED (PIN)により駆動される。これまでに我々は、PIN タンパク質の局在を制御する NPH3 様タンパク質 MACCHI-BOU 4 (MAB4) とその相同タンパク質を同定しており、それらの機能解析を行なってきた。今回、我々は MAB4 タンパク質の凝集体が液―液相分離した液滴であることを見出した。また、MAB4 タンパク質の凝集体がさまざまな環境ストレスに応答して分散することで、PIN タンパク質を介したオーキシン極性輸送が負に制御されることを明らかにした。本セミナーでは、NPH3 様タンパク質の機能解析から明らかになった液―液相分離が担うオーキシン極性輸送の制御機構について紹介したい。
※発表言語は日本語です。