2022.03.09 部門公開セミナー
人工合成オーキシンを用いた高感度タンパク質分解(ssAID)システム
西村浩平 博士 (東海国立大学機構・名古屋大学・大学院理学研究科)
2022年03月09日(水) 16:00 より 17:30 まで
Zoomオンライン
初期発生研究部門 藤森俊彦(5860)
植物ホルモン・オーキシンを用いたタンパク質分解系(AID法)は、標的とするタンパク質をオーキシンという薬剤の添加により、速やかに分解することが可能であるため、様々なタンパク質、特に生存に必須なタンパク質の機能解析に用いられてきた。しかしながら、標的タンパク質の分解には高濃度のオーキシン(100-500mM)が必要となり、これが細胞毒性の原因となってしまうこともあった。この問題に対処するため、オーキシン依存的な分解誘導を引き起こすユビキチンリガーゼであるTIR1に変異を導入し、さらにTIR1変異体に高感度に結合する人工合成オーキシンの単離を行い、5-Adamantyl-IAAを単離した。TIR1変異体と5-Adamantyl-IAAを用いたタンパク質分解系では従来のAID法と比べて、極めて低い濃度の分解誘導剤で標的タンパク質の分解を誘導できることから、このシステムをSuper-sensitive AID (ssAID)systemと命名した。今回はこのssAID systemについて紹介したい。
共催:超階層生物学研究センター準備室