2018.09.25 部門公開セミナー
ゲノム編集技術を用いた各種遺伝子改変マウス作出
水野 聖哉(筑波大学医学医療系)
2018年09月25日(火) 16:00
山手3号館2階 共通セミナー室
生殖細胞研究部門 吉田 松生(5865)
筑波大学生命科学動物資源センターでは、依頼者からの要望を受けた遺伝子改変マウスを作製し全国の大学・研究所にそれらのマウスを供給する支援活動を実施している。
具体的には、CRISPR/Cas9を用いた受精卵でのゲノム編集で、単純な遺伝子欠損(Knock-out)・メガベース単位の大規模欠損変異・蛍光遺伝子やヒトcDNAなどの数千塩基以上の遺伝子断片のノックイン(Knock-in)・flox・点変異などの多様な遺伝子変異をもつマウスを年間およそ150系統作出している。これらの遺伝子改変は、主にC57BL/6マウスの遺伝背景で実施しているが、それ以外の近交系マウスや自然突然変異マウスの受精卵ゲノム編集にも成功している。
我々の支援には、受精卵操作によるマウスの作出だけでなく、標的配列の選定やドナーベクターの設計・各種ベクター構築・ファウンダーマウスの遺伝型スクリーンニングも含まれており、遺伝子改変マウスを使用したことのない研究者でもシームレスに目的の新規モデル動物を得ることを可能としている。今回は、当施設におけるゲノム編集技術を用いた遺伝子改変マウス作出成績やゲノム編集マウスを使用する際に気をつけることなどを紹介したい。
また最近我々は、Cas9に修飾を加えることで。ノックインマウスやメガベース単位の大規模欠損変異マウスの作出効率を上昇させることに成功したので、その結果にもついても合わせて報告したい。
共催:新学術領域研究「配偶子インテグリティの構築」