2009.12.25 部門公開セミナー
Biochemical and genetic approaches to understand Arabidopsis MOM1 functions
西村 泰介 (Laboratory of Plant Genetics, University of Geneva, Switzerland)
2009年12月25日(金) 15:30 より 17:00 まで
明大寺地区第1セミナー室
植物器官形成学研究室 立松 圭 内線7651
哺乳動物や植物のゲノムにおいて、DNA(シトシン)はしばしばメチル化されており、遺伝子サイレンシングに深く関与することが知られている。近年のシロイヌナズナを用いた研究から、DNAメチル化の確立、維持、解除といった制御機構については、その詳細が明らかになり始めたが、DNAメチル化がどのように遺伝子の発現に作用するのか?またDNAメチル化を介さない遺伝子サイレンシング機構があるのか?については、ほとんど解析されていない。私たちは、シロイヌナズナの Morpheus’ Molecule1 (MOM1)がこれらの未知の機構を解明する重要な因子であると考え、研究を行っている。mom1突然変異体では、メチル化に伴ってサイレンシングされた外来の形質転換遺伝子や内在のトランスポゾンの発現が活性化される。興味深いことに、既知のサイレンシング因子とは異なり、DNAメチル化には変化が見られない。このことからMOM1はDNAメチル化の下流で働く、もしくはDNAメチル化とは独立にサイレンシングに作用する因子であると考えられるが、その分子レベルでの作用機構はいまだ明らかになっていない。今回は、現在行っているMOM1解析の内、機能ドメインの構造解析、およびサプレッサースクリーニングについて紹介する。