2009.02.23 部門公開セミナー
メダカ変異体から軸糸ダイニン形成の普遍的メカニズムへ
武田 洋幸 (東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻)
2009年02月23日(月) 10:00 より 11:30 まで
明大寺地区1階会議室(111)
形態形成研究部門 上野 直人 内線7570
メダカは日本で開発され、ゲノム解読も完了しているモデル動物である。今回左右軸形成異常のメダカ突然変異体の遺伝学的解析から、ヒト遺伝病である繊毛病の新しい原因遺伝子が見つかった。この遺伝子の変異は、ヒト、マウス、メダカ、クラミドモナスにおいて繊毛・鞭毛の運動能喪失をもたらす。さらに生化学的解析から、新規遺伝子がコードするタンパク質は、細胞質内でダイニン前駆体の形成に必須であることが判明した。これらの研究により生物界に広く存在する繊毛・鞭毛の複雑な形成過程の一端が明らかになった。