2007.08.07 部門公開セミナー
活性酸素及び活性窒素によるDNA損傷の修復機構
井出 博 先生 (広島大学大学院理学研究科 数理分子生命理学専攻・教授)
2007年08月07日(火) 15:00
明大寺地区職員会館2階大会議室
分子遺伝学研究部門 飯田 滋 内線7680
生物のゲノムには,内在性因子あるいは環境因子により絶え間なく損傷が生じており、生じた損傷が適切に修復されないと,突然変異や細胞死が誘発される。活性酸素はDNA損傷を誘発する代表的な内在性因子であり、生じた酸化塩基損傷は塩基除去修復機構により修復される。一方,活性窒素によるDNA損傷も種々の疾病との関連から注目されているが、この損傷の修復機構は不明な部分が多い。講演では,酸化塩基損傷の塩基除去修復に関わる哺乳類DNAグリコシラーゼSMUG1の機能と活性窒素により生じるDNA付加体の修復機構について、生化学的研究を中心に最近の知見を紹介する。