2007.05.16 部門公開セミナー
TGN-endosomeで働くクラスリンアダプターAP1の Cyclin G-associated kinase (GAK)による機能制御
亀高 諭 (福島県立医科大学 解剖組織学講座)
2007年05月16日(水) 15:30 より 17:00 まで
明大寺地区1階会議室(111)
分子細胞生物学研究部門 大隅良典 内線7515
AP1複合体(adaptor protein omlex-1)は4つのサブユニットから成る蛋白質複合体で、TGN及びエンドソームに局在し、ポストゴルジコンパートメントにおけるリソソーム/液胞蛋白質のクラスリン被覆小胞依存的な選別輸送経路に深く関わっている。特にそのサブユニットの一つ、γ-adaptinはC末端に`ear’と呼ばれるドメインをもち、その表面の塩基性アミノ酸クラスターを介してRabaptin-5、γ-synergin、enthoprotin等多くのアクセサリー蛋白質と相互作用することが知られているが、それらの相互作用が生理的にどのような意味があるかは未だ不明な点が多い。近年の解析によりこれらのアクセサリー蛋白質にγ-adaptin earとの相互作用に必須な4アミノ酸からなるモチーフΨG[PDE][ΨLM](Ψ:芳香族アミノ酸)が見出された。このモチーフを持つ蛋白質を更に探索した結果、γ-adaptin ear-domainに結合する新たな因子としてcyclin G-associated kinase (GAK)が同定され、GAKがAP1依存的にゴルジ体に局在し、GAK-AP1相互作用がリソソームへのカテプシンD蛋白質輸送に重要な役割を演じている事が示唆された。