2006.08.09 部門公開セミナー
イネ冠水応答性遺伝子領域のヒストン修飾の動的変化
中園 幹生博士 (東京大学大学院農学生命科学研究科)
2006年08月09日(水) 16:00 より 17:30 まで
明大寺地区1階会議室(111)
分子遺伝学研究部門 寺田理枝 内線7681
半水生植物であるイネは冠水条件下に置かれると、代謝系に関わる遺伝子の発現を速やかに変化させるなどして、(短期間であれば)その環境に順応し生存することができる。冠水条件下は低酸素状態であるので、生存するためには順応に必要な遺伝子だけ発現誘導させ、残りのほとんどの遺伝子の発現を抑制させて、少ないATPを無駄に消費しないようにしなければならない。そのための遺伝子発現の変化はゲノムの広範にわたって生じるが、その調節機構についてはよく理解されていない。我々はゲノムワイドな遺伝子発現の制御に関わる機構としてアセチル化・メチル化などのヌクレオソーム・ヒストンの化学修飾に着目し、冠水応答との関係について解析を行っている。本セミナーでは、冠水条件下におけるヒストン修飾の動的な変化について紹介したい。