2006.03.02 部門公開セミナー
BCNEセンター:シュペーマンオーガナイザーとは独立した前方神経誘導
黒田 裕樹 (静岡大学教育学部)
2006年03月02日(木) 15:00 より 17:00 まで
山手地区3号館2階共通セミナー室
形態形成研究部門 上野直人・高橋弘樹 内線7572 taka@nibb.ac.jp
シュペーマンのオーガナイザー発見以来、神経は背側に存在する中内胚葉が誘導するものと考えられてきた。しかし、分子レベルの研究が行われるようになると、表皮領域においてBMPシグナルが阻害されるだけで神経は誘導され、また、中胚葉誘導を阻害された胚においても神経が存在する、ということが報告された。これらは中胚葉とは独立した神経誘導が存在することを示唆させる。本研究では、実際に中胚葉とは独立して神経を誘導する領域が後期胞胚において背側動物極側に存在することを紹介する(BCNEセンター)。そしてBCNEセンターが主にBMPアンタゴニストであるChordinの働きによって調節され、Chordinが実際の胚の中でBCNEセンターを通して前方神経誘導に関わり、かつ側方神経誘導の主要因子であったことを示す。