基礎生物学研究所 名誉教授

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名誉教授

研究教育職員

堀内 嵩

名誉教授 堀内 嵩

研究の概要

(2008年度当時のものです)
ゲノムは、進化的に見ると非常に可塑性に富み、一方短期間では、殆ど変化しない保守的な面を見せる。この両面併せ持つゲノム・ダイナミクスの謎を解くのが当部門のテーマである。そのため、以下の二つのテーマに取り組んでいる。 一つは、短期間に激しい変化が起こる遺伝子増幅の現象についてである。具体的には、酵母を用いて典型的な多コピー遺伝子として知られるリボソームRNA遺伝子の増幅機構、増幅した遺伝子の維持機構、増幅と高次な染色体構造との関係等を明らかにしつつある。また、動物細胞に薬剤耐性を付与したり、がんの悪性化を引き起こしたりする、より一般的で複雑な遺伝子増幅機構を明らかにする目的で、酵母による増幅モデル系に取り組み、短時間で100コピー以上の増幅を達成する系を確立した。今後、この系の動物細胞への応用により、未解決の動物細胞での増幅機構解明を目指す。遺伝子増幅の機能の一つは遺伝子産物の増産にあるが、別の機能として、遺伝子進化への寄与が指摘されてきた。我々は、これまでに得た遺伝子増幅の実験系に、増幅遺伝子特異的な変異誘導系を導入することにより、遺伝子進化が実験的に検証できる時代に入ったと考え、取り組み始めている。 他のテーマは、生物のゲノムには線状と環状があるのは何故かについてである。真核生物ゲノムは線状であり、原核生物の殆どが環状ゲノムである。この謎に迫るため、大腸菌の環状ゲノムの線状化を試み、最近成功した。線状化ゲノム大腸菌は正常に生育し、ゲノム構造も安定していた。今後この株の解析から、線状・環状ゲノムの有利・不利を明らかにしたいと考えている。

研究室関連資料

参考文献

Johzuka, K., and Horiuchi, T. (2009) The cis-element and factors required for condensin recruitment to chromosomes. Mol. Cell, in press.

Cui, T., Moro-oka, N., Ohsumi, K., Kodama, K., Ohshima, T., Ogasawara, N., Mori, H., Wanner, B., Niki, H., and Horiuchi, T. (2007) E. coli with a linear genome. EMBO Rep 8, 181-187.

Johzuka, K., Terasawa, M., Ogawa, H., Ogawa,T., and Horiuchi, H. (2006) Condensin loaded onto the replication fork barrier site in ribosomal DNA (rDNA) repeats during S-phase in a FOB1-dependent fashion to prevent contraction of a long repeats in S.cerevisiae. Mol. Cell. Biol. 26:2226-36

Watanabe, T., and Horiuchi, T. (2005) A novel gene amplification system in yeast based on double rolling-circle replication. EMBO J 24, 190-198.

Kobayashi, T., Horiuchi, T., Tongaonlar, T., Vu, L., Nomura, M. (2004) SIR2 regulates recombination between different rDNA repeats, but not recombination within individual rDNA genes in Yeast. Cell 77, 441-453.