2017.04.10 基生研セミナー
研究コミュニティのための共同プロジェクト
伊藤 啓(東京大学分子細胞生物学研究所、ケルン大学理数学部動物学教室、HHMI ジャネリア研究所)
2017年04月10日(月) 16:30 より 17:30 まで
明大寺地区1階 会議室 (111)
生物機能情報分析室 重信 秀治 (7670)
共同プロジェクトというと、1つの論文を書くための共同研究や、大型グラントを取るための研究チームを作るというのが一般的である。しかし、もっと広い目的で、長期にわたるような共同プロジェクトも存在しうる。インターネットの普及で、距離を隔てたコミュニケーションが容易になった。それを活用して、会議をほとんど開かず、専用の予算を取らず、かつ研究コミュニティに大きく貢献しているような共同プロジェクトをこれまで幾つか企画してきたので、その背後にあった経緯、イニシアチブ、駆け引き、あうんの呼吸などの裏話を紹介する。
【1】10年以上にわたって世界最大のショウジョウバエ発現誘導系統コレクションとして活用されてきた NP エンハンサートラップ系統群の作成コンソーシアム。
【2】昆虫脳の脳領域と境界を統一的に定め、混乱のあった用語の解決策を提示した国際プロジェクト Insect Brain Name コンソーシアム。
【3】世界中のショウジョウバエの 3 次元画像データを統一的に提供する国際プロジェクト VVD/VFB。
【4】日本語を話すショウジョウバエ研究者を網羅したバーチャルコミュニティ Jfly。