研究者のための科学広報入門
科学者のイメージ

世の中の人々は科学者に対して、どのようなイメージを抱いているのでしょうか?「科学技術と社会に関する世論調査」(平成22年1月調査)という調査報告に、「科学者や技術者に対するイメージ」に関するアンケート結果があります。
「科学者や技術者は身近な存在であり、親しみを感じる」という設問に対して、
 ・ そう思う 7.5%
 ・ どちらかというとそう思う 15.6%
 ・ あまりそう思わない 46.2%
 ・ そう思わない 27.7%
 ・ わからない 3.1%
という回答が得られたそうです。

「そう思う」、「どちらかというとそう思う」を足しても、肯定意見は23.1%にとどまっています。

「科学技術と社会に関する世論調査」(平成22年1月調査)より引用
http://www8.cao.go.jp/survey/h21/h21-kagaku/index.html

科学者は身近な存在か?という問いかけに対しては、人口比として決して科学者の数は多くないですし、日常生活の中で科学者とふれあう機会がある人はごく限られていることを考えると、なかなか科学者を身近に感じてもらうのは難しいのでは無いかなと、広報担当の私でも正直感じてしまったりもします。逆にいうと、もしかしたら、あなたの身近な人々にとって、科学者の代表的なイメージはあなた自身かもしれません。決して無理をする必要はありませんが、是非、あなたも、親しみやすい科学者像を目指してみて下さい。科学のイメージアップに向けた草の根運動は、自分のイメージアップから始まる、のかもしれません。

研究成果がまとまったら に続く
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コラム2
科学者のイメージ=白衣?


科学者と一言で言っても、分野は様々ですので、どの分野の科学者をイメージするかでその姿は異なると思います。でも、一般的に、科学者の統一イメージとして「白衣」は欠かせない物のようです。私も中学生の頃、科学者の白衣にあこがれて、理科実験室で喜んで着ていたことを思い出します。科学者のわかりやすい記号としての白衣。でも、実際に生物学の研究現場に入ってみると、白衣着用率は非常に低くてがっかり。白衣で汚れを防ぐより、そもそも汚れても良い服を着て実験を行う人が圧倒的多数です。ところが、TVの取材や、写真の撮影では、研究者は「白衣着てもらってもいいですか?」とリクエストされることも多々。白衣とは、着るだけで誰から見ても科学者に見える、便利な小道具なのでした。

白衣
取材を受ける林良樹助教。リクエストに応えて白衣姿です。

しかし最近、この科学者必須アイテムのはずの白衣にも少し異変が。実験での安全を考えて、袖口にゴムに入った白衣が多く流通するようになりました。しかし、これが「割烹着」のように見えてちょっとダサイのです。子ども時代、白衣姿に憧れていた私としては、白衣はこれからも格好良くあって欲しいなぁと感じずにはいられないのでした。

hayashi_y こちらは普段の姿。