研究者のための科学広報入門
プレスリリースは誰向けに書く?

プレスリリースは、「こんな成果が出ましたけど、記事のネタにいかがですか?」というマスメディアの記者への提案書です。「プレスリリースはどんな難易度で書けばいいですか?」と聞かれたら、「記者の皆さんに伝わるように書いて下さい」ということになります。それでは、マスメディアの記者とはどのような人たちなのでしょうか?

広報担当なら、○○新聞なら○○さん、△△テレビなら△△さん、と各社の記者の皆さんの顔が浮かびます。とっても科学に強い科学専門の記者さんや、科学ネタは少し苦手という社会派の記者さんなど、様々な方々がいらっしゃいます。様々であるということは、プレスリリースは分かりやすく書いた方が、より広い範囲の記者さんに読んでもらえる可能性が高まるのかもしれません。

また、新聞やテレビでは、難しい内容のまま記事やニュースになることは希です。リリースがとても難しい言葉で書かれていた場合には、記者は読者が分かるレベルに言葉を置き換えていきます
(または、スルーして記事にしないかですが・・・)。例えば新聞では、記者の皆さんは中学生が読んでわかるように、記事を書くことを心がけているそうです。難しい内容を易しく書き直す時、必ず情報は変化・変質していきます。成果を出したあなた自身が、なるべくわかりやすい言葉で、正確に表現することで、記者が記事にする際に発生する「情報の変化」の幅を小さくすることができるかもしれません。

ただ、言うのは簡単ですが、「分かりやすく書く」ことと「正確に書く」ことの両立はなかなか難しいものです。

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