研究者のための科学広報入門
2009年事業仕分けの衝撃

2009年に行われた行政刷新会議の事業仕分けは、科学界に衝撃を与えました。翌年の予算規模の削減の為に、「聖域なき予算の見直し」として、科学予算においても多くのプロジェクトが縮減または廃止の決定を受けました。この判定の是非はともかくとして、この“事件”は科学者に重要な教訓を残しました。それは、どんなに難解な科学を扱っていようとも、税金を使って研究を行う以上、その研究の意義について多くの人々の理解を得る必要がある、ということです。そして、何よりも有り難く感じられたのは、予算の削減という危機に対して、「負けずに研究を頑張れ」と言って下さる人々の励まし、サポートの声でした。国民の理解とサポートがあってこそ、研究を行うことが出来るのです。

「何故、自分達はこの研究を実施するのか」を誰もがわかるように発信すること。そして「研究によって得られた成果」を広く市民に還元すること。今、科学界に強く求められている事項です。

科学を発信するために に続く