日程:2016年12月10日(土)12:50 - 11(日)17:00 
場所:岡崎コンファレンスセンター
主催:基礎生物学研究所 (共同利用研究 「研究会」)
新学術領域研究「温度生物学」 
研究会は終了いたしました。

Message
近年、光学や化学、遺伝子工学など、各分野における技術の発展により、細胞内というこれまで測定の対象とならなかった微小な空間での温度分布が測定可能となりました。その結果、古典的な熱力学の前提に立ち、細胞内を均質な水とする条件で考えた場合には説明のつかない温度分布の存在が、原理の異なる複数の測定法で、異なるグループによって見出されました。この結果を受けて、現在「生命システムにとっての温度・熱とは何か」を改めて問う研究が世界的に注目を集めています。
この研究会では、「生物を切り口とした熱科学」を考えるために、「温度・熱の有効利用」という面と同時に「管理下に置くべき危険な存在としての温度・熱」という一面の両方に焦点を合わせた議論を企画しています。同時に「進化」的視点を取り上げることで、生命システムに共通する温度管理機構の一端を、集まっていただいた皆さんと垣間見ることが今回の目標の一つです。最後に、今後求められる測定新技術は何かに触れ、将来の展望について話し合いたいと思います。
この研究会を通して、関連する光学、化学、分子生物学、合成生物学などの分野融合を促進し、将来的にここで始めた議論から新しいパラダイムを皆さんと生み出して行いたいと思います。

第一回研究会代表 広井 賀子(慶應義塾大学理工学部)
事務局 基礎生物学研究所光学解析室
bi3meet [at] nibb.ac.jp

Organizers [コアメンバー(あいうえお順)]
碓井 理夫  京都大学大学院生命科学研究科
岡部 弘基  東京大学大学院薬学系研究科
亀井 保博  基礎生物学研究所生物機能解析センター(事務局)
北野 健    熊本大学大学院自然科学研究科
木村 浩之  静岡大学グリーン科学技術研究所
清中 茂樹  京都大学大学院工学研究科
坂口 怜子  京都大学大学院工学研究科、物質―細胞統合システム拠点
佐藤 良勝  名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所
冨樫 祐一  広島大学理学研究科
中野 雅裕  大阪大学産業科学研究所
濱田 隆宏  東京大学大学院総合文化研究科 
広井 賀子  慶應義塾大学理工学部(研究会代表)
古本 強    龍谷大学農学部植物生命科学科


Time Table【20170613更新】
12月10日(土
12:00 Registration Open
12:50 - 13:00 Opening Remarks 
  富永 真琴 (新学術「温度生物学」領域代表 ) 
13:00 - 15:00
 Session 1. 熱産生とその利用
  梅田 真郷 (京都大学工学研究科)
   "熱産生と体温調節の接点"
  稲葉 靖子 (宮崎大学テニュアトラック推進機構)
   "植物の花による熱産生-ザゼンソウとソテツの研究から見えてきた新視点-"
  岡部 弘基 (東京大学大学院薬学系研究科)
    TBA
  大山 廣太郎 (東京慈恵会医科大学)
   "細胞内Ca2+制御システムにおける発熱・感温機構の一細胞顕微解析"
 15:00 - 15:10 Coffee Break
 15:10 - 16:40
 Session 2. 温度情報 1
  久原 篤 (甲南大学)
   "線虫から学ぶ温度応答の制御機構"
  大西 美輪 (神戸大学理学研究科)
   "急激な温度降下で生じるセントポーリア葉の傷害誘導メカニズム"
  永野 惇 (龍谷大学農学部)
   "気象とトランスクリプトームの解析からみる野外での植物の温度応答"
16:40 - 17:00 Coffee Break
17:00 - 19:00
 Session 3.生命における熱の理論と検証
  新海 創也  (広島大学クロマチン動態数理研究拠点)
   "細胞内温度を記述する術を我々は手にしているか?"
  鳥谷部 祥一 (東北大学工学研究科)
   "分子モーターの1分子実験熱力学"
  沙川 貴大 (東京大学大学院工学系研究科)
   "情報熱力学とその細胞内シグナル伝達への応用"
  広井 賀子 (慶應義塾大学理工学部)
   "ナノ・マイクロスケールの熱物性から見たBiothermologyの基礎"
19:00 -
  Poster short presentation , Poster & Mixer
12月11日(日)
9:00 - 10:30
 Session 4-1. 測定技術 (前半)
  石島 秋彦 (大阪大学生命機能研究科)
    TBA
  中野 雅裕 (大阪大学産業科学研究所)
   "蛍光性温度プローブタンパク質の開発"
  坂口 怜子 (京都大学大学院工学研究科, 物質―細胞統合システム拠点)
   "細胞内発現型温度センサーによるオルガネラ特異的な温度特性の可視化"
10:30 - 10:40 Coffee Break
10:40 - 12:10
 Session 4-2. 測定技術 (後半) 
  亀井 保博 (基礎生物学研究所)
   "赤外レーザー顕微鏡による生体内・細胞局所加熱技術と応用と展開"
  田原 樹 (関西大学システム理工学部)
   "ディジタルホログラフィック顕微鏡による多次元画像同時記録"
  田口 良広(慶應義塾大学理工学部)
   "熱物性工学に立脚したナノ・マイクロバイオセンシングとその応用"
12:10 - 13:10 Lunch & Poster
13:10 - 14:10
 Session 5. 温度情報 2
  濱田 隆宏 (東京大学大学院総合文化研究科)
   "植物における温度とストレス顆粒形成の関係"
  古本 強 (龍谷大学農学部)
   "植物における温度感知の現象と分子遺伝学からの解析"
14:10 - 14:20 Coffee Break
14:20 - 16:20
 Session 6. 熱への適応:原核生物から真核生物まで
  木村 浩之 (静岡大学グリーン科学技術研究所)
   "原核生物の温度適応〜16S rRNA遺伝子のG+C含量に着目して〜"
  跡見 晴幸 (京都大学大学院工学研究科)
   "超好熱性アーキアの特異な代謝戦略"
  山口 良文 (東京大学大学院薬学系研究科)
   "哺乳類の冬眠〜季節環境に応じた全身性の代謝抑制と体温制御"
  野村 真 (京都府立医科大学大学院神経発生生物学)
   "外温性および内温性動物の発生と進化適応"
16:20 - 16:30 Coffee Break
16:30 - 16:50 総合討論
16:50 - 17:00
 Closing Remarks and General Perspective 
  広井 賀子(慶應義塾大学理工学部)


Registration
講演者の皆様には最新の話題提供をお願いしておりますので、参加者の方々には会で得られた情報に関して守秘義務が有ることをご理解頂き、当日受付にて、「守秘義務同意書」に署名を頂きます。ご了承の程よろしくお願い致します。
参加費 : 無料
以下について実費がかかります。 
(茶菓子代:500円 当日受付にお支払い下さい)
(お弁当代:500円 当日受付にお支払い下さい)
(懇親会:3,000円 岡崎コンファレンスセンター内 当日受付にお支払い下さい)
登録期間7月中旬1130
(定員に達した時点でフォームは閉鎖されます。尚、ロッジ予約に関しては9月末日締切とします。)
講演要旨締切:11月30日厳守(遅れた場合は要旨集に掲載できません.)
参加登録・講演要旨提出・お問い合わせはbi3meet [at] nibb.ac.jpまで。


Travel Expenses
旅費の補助はありません。(招待講演者を除く)


Hotel Accommodation
所内ロッジ宿泊(2500円/泊)希望の方は、事務局までご依頼ください。発表者あるいは学生・院生を優先させていただきますのでご了承ください。9月末日に受付を締切、優先者にご案内させていただきます。所外ホテル宿泊希望の方は各自周辺ホテルをご予約ください。


Access
受付・会場は岡崎コンファレンスセンターです。各方面からのアクセスは基生研HPにあります。