【電子顕微鏡支援担当:村田和義(生理学研究所)】[2021.04.26]
佐藤匡史 准教授(名古屋市立大学)の論文が International Journal of Molecular Sciences に掲載されました


Song C., Satoh T., Sekiguchi T., Kato K., Murata K. Structural Fluctuations of the Human Proteasome alpha7 Homo-Tetradecamer Double Ring Imply the Proteasomal alpha-Ring Assembly Mechanism. International Journal of Molecular Sciences 22, (2021) DOI:10.3390/ijms22094519

<概要> 本研究では、プロテアソームα7サブユニットのクライオEM構造を調べることにより、ダブルリンク構造を介したプロテアソームの形成過程の理解に手掛かりを与えました。ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:村田和義)では、クライオ電子顕微鏡を使用し、データ測定および解析する支援を行いました。

【光学顕微鏡支援担当:鍋倉淳一(生理学研究所)】[2021.04.27]
富永真琴 教授(生理学研究所)の論文が Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America に掲載されました


Nishimoto R., Derouiche S., Eto K., Deveci A., Kashio M., Kimori Y., Matsuoka Y., Morimatsu H., Nabekura J., Tominaga M. Thermosensitive TRPV4 channels mediate temperature-dependent microglia movement. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 118, (2021) DOI:10.1073/pnas.2012894118

<概要> 本研究では、マウス脳でのミクログリアの動きを調べることにより、ミクログリアがTRPV4イオンチャネルによって脳内温度を感知して突起を動かしていることをを発見しました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:鍋倉淳一)では、二光子顕微鏡を使用し、マウス脳内のミクログリアの動きを可視化する支援を行いました。

【MRI支援担当:定藤規弘(生理学研究所)】[2021.04.27]
荻野祐一 講師(群馬大学)の論文が Scientific Reports に掲載されました


プロボクサーの脳における運動回路が試合前に増強されることをMRIで確認
–試合前の減量トレーニングに科学的根拠を提供–

Ogino Y., Kawamichi H., Takizawa D., Sugawara S. K., Hamano Y. H., Fukunaga M., Toyoda K., Watanabe Y., Abe O., Sadato N., Saito S., Furui S. 2021 Enhanced structural connectivity within the motor loop in professional boxers prior to a match Scientific Reports 11 1 9015 2021/04/29 Apr 27 10.1038/s41598-021-88368-4

<概要>プロボクサーの脳内の運動回路が、試合一ヶ月前から試合直前にかけて構造的に増強する事をMRIで確認した。この結果は、試合前の減量トレーニングの意義としてアスリート間で経験的に語られてきた「余分な脂肪を落とすことにより“身体のキレ”が良くする」ことを反映していると考えられる。ABiS・MRI支援(支援担当:定藤規弘・福永雅喜)では、機能的MRI、DWIにおける構造的結合の解析を中心に各種データのnetwork解析手法の支援を行いました。

プレスリリース プレスリリース(群馬大学医学部付属病院のウェブサイト)  

【光学顕微鏡支援担当:根本知己(北海道大学 現:生理学研究所)】[2020.08.20]
佐伯歩 助教(北海道大学)の論文が Methods in Molecular Biology に掲載されました


Hasebe A., Saeki A., Shibata K.I. Lipoprotein Extraction from Microbial Membrane and Lipoprotein/Lipopeptide Transfection into Mammalian Cells. Methods in Molecular Biology 2210, 195-204 (2021) DOI:10.1007/978-1-0716-0939-2_19

<概要>本論文では、Mycoplasma salivariumならびにTannerella forsythiaからのTriton-X114 phase separationを用いたリポタンパク質抽出法を解説しました。さらに、M. salivarium 由来リポペチドFSL-1のマクロファージ細胞質へのトランスフェクションについて紹介しました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:根本知己)では、共焦点レーザー顕微鏡による細胞イメージング支援を行いました。

【光学顕微鏡支援担当:根本知己(北海道大学 現:生理学研究所)】[2020.06.26]
佐伯歩 助教(北海道大学)の論文が Immunology に掲載されました


Saeki A., Tsuchiya K., Suda T., Into T., Hasebe A., Suzuki T., Shibata K.I. Gasdermin D-independent release of interleukin-1beta by living macrophages in response to mycoplasmal lipoproteins and lipopeptides. Immunology 161, 114-122 (2020) DOI:10.1111/imm.13230

<概要>本研究は、マイコプラズマの活性物質の一つであるリポタンパク質/リポペプチドがマクロファージに細胞死を誘導せずIL-1βを細胞外へ放出させることを明らかにしました。また、IL-1βの細胞外放出はgasdermin D小孔によるものではなく、細胞膜透過性が関与していることが示唆されました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:根本知己)では、共焦点レーザー顕微鏡による細胞イメージング支援を行いました。

【光学顕微鏡支援担当:松田道行(京都大学)】[2021.03.17]
小川剛伸 助教(京都大学)の論文が Nature Communications に掲載されました


Ogawa T., Matsumura Y. Revealing 3D structure of gluten in wheat dough by optical clearing imaging. Nature Communications 12, 1708 (2021) DOI:10.1038/s41467-021-22019-0

<概要>本研究では、澱粉等を透明化する新たな試薬を開発し、この試薬を用いて透明化した麺などの食品内部の構造を調べることにより、人類が初めて自然界から単離したタンパク質の一つであるグルテンの三次元構造を明らかにしました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:松田道行)では、多光子レーザー顕微鏡を使用し、透明化した食品内部の構造をイメージングする支援を行いました。

【電子顕微鏡支援担当:小池正人(順天堂大学)】[2021.02.20]
原田雄仁 特任助教、後藤由季子 教授(東京大学)の論文が Stem Cells に掲載されました


Yuizumi N., Harada Y., Kuniya T., Sunabori T., Koike M., Wakabayashi M., Ishihama Y., Suzuki Y., Kawaguchi D., Gotoh Y. Maintenance of neural stem-progenitor cells by the lysosomal biosynthesis regulators TFEB and TFE3 in the embryonic mouse telencephalon. Stem Cells, (2021) DOI:10.1002/stem.3359

<概要>本研究では、胎生期マウスの神経幹細胞の未分化性の維持に、リソソームの生合成に関わる転写因子の活性化とリソソーム関連分子の高い発現が重要であることを明らかにしました。さらに成獣マウスの神経幹細胞においてもリソソームの活性が高いことを明らかにしました。ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:小池正人)では、胎生期マウスにおける神経幹細胞の純形態解析と、銀増感による包埋前免疫電顕法を用いたリソソーム膜タンパク質の局在に関する支援を行いました。

【電子顕微鏡支援担当:深澤有吾 (福井大学)】[2021.02.10]
斎藤明 助教(福島県立医科大学)の論文が Molecular Biology of the Cell に掲載されました


Saito A.C., Higashi T., Fukazawa Y., Otani T., Tauchi M., Higashi A.Y., Furuse M., Chiba H. Occludin and tricellulin facilitate formation of anastomosing tight-junction strand network to improve barrier function. Molecular Biology of the Cell, mbcE20070464 (2021) DOI:10.1091/mbc.E20-07-0464

<概要>本研究では、上皮組織のバリア機能を担うタイトジャンクション(TJ)形成の分子機構を明らかにする目的で、オクルディンとトリセルリンの機能について解析しました。その結果、両遺伝子のダブルノックアウト細胞ではTJストランド同士が連結する部位の数がコントロール細胞と比較して激減することが分かりました。加えて、このダブルノックアウト細胞ではバリア機能が低下することを発見しました。このことから、オクルディンとトリセルリンは協調してTJストランドを連結し、バリア機能を維持する役割を果たしていることが考えられます。 ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:深澤有吾)では、TJ関連遺伝子操作細胞のレプリカ膜作製の支援を行いました。

【光学顕微鏡支援担当:東山哲也 (名古屋大学)】[2020.12.14]
大崎雄樹 准教授(名古屋大学)の論文が Journal of Cell Biology に掲載されました


Soltysik K., Ohsaki Y., Tatematsu T., Cheng J., Maeda A., Morita S.Y., Fujimoto T. Nuclear lipid droplets form in the inner nuclear membrane in a seipin-independent manner. Journal of Cell Biology 220, (2021) DOI:10.1083/jcb.202005026

<概要>本研究では、骨肉腫由来U2OS細胞における中性脂質合成酵素群の内核膜局在と、内核膜での脂肪滴形成を見出し、肝細胞型(小胞体内腔のリポプロテイン前駆体に由来)とは異なる、非肝細胞型の核内脂肪滴合成機序を明らかにしました。 ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:名古屋大学・東山哲也)では、CV1000 (横河電機)を使用し、細胞内での脂質局在をタイムラプスイメージングにより解析する支援を行いました。

【光学顕微鏡支援担当:稲葉一男 (筑波大学)】[2021.02.26]
久冨理 助教(山梨大学)の論文が Science Advances に掲載されました


Kutomi O., Yamamoto R., Hirose K., Mizuno K., Nakagiri Y., Imai H., Noga A., Obbineni J.M., Zimmermann N., Nakajima M., Shibata D., Shibata M., Shiba K., Kita M., Kigoshi H., Tanaka Y., Yamasaki Y., Asahina Y., Song C., Nomura M., Nomura M., Nakajima A., Nakachi M., Yamada L., Nakazawa S., Sawada H., Murata K., Mitsuoka K., Ishikawa T., Wakabayashi K.I., Kon T., Inaba K. A dynein-associated photoreceptor protein prevents ciliary acclimation to blue light. Science Advances 7, (2021) DOI:10.1126/sciadv.abf3621

<概要>本研究では、海産動物であるホヤと単細胞緑藻類であるクラミドモナスを用いて、繊毛のモータータンパク質であるダイニンに結合する新規の光応答性タンパク質を発見しました。本タンパク質は、ダイニンの動きを調節して、光に順化してしまうのを防止する役割があると考えられます。将来的に、繊毛運動を光で人為的に調節できる可能性も期待されます。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:稲葉一男)では、鞭毛運動の記録と波形解析の支援を行いました。

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