成果発表(2024年)
【MRI支援:青木茂樹(順天堂大学)】[2024.04.04]
西田南海子 副部長(田附興風会北野病院)の論文が Frontiers in Aging Neuroscience に掲載されました
<概要>本研究では、正常圧水頭症の髄液中Lipocalin-type prostaglandin D synthaseのchaperone機能とMRI拡散テンソル画像の定量解析を用いた白質障害の評価を通じて glymphopathyのメカニズムを考察しました。ABiS・MRI支援(支援担当:青木茂樹・下地啓五)では脳画像解析手法に関わる支援を行いました。
【光学顕微鏡支援:根本知己(生理学研究所)】[2024.03.18]
小池誠一 特命助教(富山大学)の論文が eLife に掲載されました
生きた細胞内で小胞の動きを可視化し、2種類の小胞融合機構を発見
<概要>本研究では、マウス胚を包む卵黄嚢の細胞を用いて、細胞内で物質の輸送などを行う小胞を蛍光物質で標識し、これが融合する過程を可視化する技術を開発しました。これにより小胞の融合過程を観察したところ、融合には2つの異なる様式があること、また、その制御に細胞骨格アクチンが関与することを見いだしました。
ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:根本知己、堤元佐)では、高感度共焦点顕微鏡と画像解析による高解像度化処理を組み合わせて、後期エンドソーム周辺のアクチン繊維の微細構造の可視化を支援しました。
【光学顕微鏡支援担当:藤森俊彦(基礎生物学研究所)・根本知己(生理学研究所)】[2024.03.22]
古瀬幹夫 教授(生理学研究所)および大谷哲久 准教授(東京都立大学 前:生理学研究所 助教)の論文が Journal of Cell Biology に掲載されました
引き伸ばされても細胞同士がバラバラにならないわけ~からだが力学的ストレスに耐える新たな仕組みを解明~
<概要>本研究では、密着結合が上皮細胞の細胞間接着構造の力学的ストレスに対する抵抗性に重要であることを初めて明らかにしました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:藤森俊彦)によりライブ・イメージングにより密着結合の膜タンパク質を欠いた細胞が偶発的に伸展した際に細胞間接着が崩壊することを見出しました。また、ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:根本知己、堤元佐)ではSTED顕微鏡を用いた超解像観察により、密着結合の膜タンパク質を欠いた細胞において、メカノセンサーとして働くZO-1の分子構造・配向に異常が生じていることを明らかにしました。
【画像解析支援:上野直人(基礎生物学研究所)】[2024.02.09]
近藤寿人 顧問(生命誌研究館 前:京都産業大学 教授)の論文が Frontiers in Cell and Developmental Biology に掲載されました
Nakamura K., Watanabe Y., Boitet C., Satake S., Iida H., Yoshihi K., Ishii Y., Kato K., Kondoh H. Wnt signal-dependent antero-posterior specification of early-stage CNS primordia modeled in EpiSC-derived neural stem cells. Frontiers in Cell and Developmental Biology (2024) DOI:10.3389/fcell.2023.1260528
<概要>本研究では、胚の神経系原基が、前脳、中脳、後脳、脊髄の領域に分かれる初期過程において、前部から後部に向かって漸増するWntシグナルの勾配が神経系の領域化をもたらしている可能性を示しました。培養されたエピブラスト幹細胞から神経幹細胞株を生み出す過程をモデルとした研究で、それを確認しました。ABiS・画像解析支援(支援担当:上野直人、加藤輝)では、前部エピブラストの中の神経系領域原基が領域へと分かれていくことをライブイメージング解析技術により明らかにしました。
【光学顕微鏡支援担当:今村 健志(愛媛大学)】[2024.01.03]
村上正基 特任教授(愛媛大学)の論文が Scientific Reports に掲載されました
マウス発汗の三次元ライブイメージングに成功 ~汗関連疾患の病態解明に期待~
<概要>本研究では、新たに開発した蛍光色素カクテルをマウスに経静脈投与し、二光子励起顕微鏡を用いて足趾指腹を観察することで、発汗の3次元リアルタイムイメージングに世界で初めて成功しました。ここにレーザーアブレーションを併用することで表皮内汗管からの汗漏出現象を作出し、タイムラプス観察にて同部位に表皮内水疱が形成されることを見いだし、掌蹠膿疱症のモデルマウスとして応用できる可能性が示唆されました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:今村健志)では、2光子顕微鏡による3次元タイムラプス観察の支援を行いました。
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