【光学顕微鏡支援:稲葉一男(筑波大学)】[2024.11.27]
山本遼介 講師(大阪大学)の論文がmSphereに掲載されました


Yamamoto R., Tanaka Y., Orii S., Shiba K., Inaba K., Kon T. Chlamydomonas IC97, an intermediate chain of the flagellar dynein f/I1, is required for normal flagellar and cellular motility. mSphere (2024) 10.1128/msphere.00558-24:10.1128/msphere.00558-24

<概要>本研究では、単細胞緑藻クラミドモナスをモデル生物として用い、繊毛ダイニンのサブユニットに欠損を持つ変異株の繊毛運動を詳細に観察することで、当該サブユニットの欠損が繊毛運動に与える影響を明らかにしました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:稲葉一男・柴小菊)では、高速度カメラを用いてクラミドモナス変異株の繊毛運動を可視化する支援を行いました。

【光学顕微鏡支援:三上秀治(北海道大学)】[2024.12.27]
東恒仁 助教(北海道大学)の論文がJournal of Pharmacological Sciences に掲載されました

Higashi T., Hashimoto K., Mai Y., Naganuma F., Yoshikawa T. Cystine transporter SLC7A11 regulates sensitivity to unsaturated carbonyl compounds in mouse macrophage cell lines. Journal of Pharmacological Sciences (2025) https://doi.org/10.1016/j.jphs.2024.12.008:https://doi.org/10.1016/j.jphs.2024.12.008

<概要>タバコ煙ガス相の細胞傷害因子である不飽和カルボニル化合物に対するマクロファージの感受性に関与する因子を分子レベルで調べることにより、シスチントランスポーターであるSLC7A11の発現量が不飽和カルボニル化合物感受性を決定する因子の一つであることを発見しました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:三上秀治)では、ワイドフィールド顕微鏡による細胞形態のイメージングの支援を行いました。

【光学顕微鏡支援:三上秀治(北海道大学)】[2024.12.12]
真崎雄一 講師(北海道大学)の論文がBiochemical and Biophysical Research Communications に掲載されました

Mazaki Y., Horinouchi T., Onodera Y., Nam J. M. Phosphorylation of annexin A2 at serine 25 is required for endothelin-1 stimulated cell proliferation and AKT activation in melanoma cells. Biochemical and Biophysical Research Communications (2024) 10.1016/j.bbrc.2024.151168:10.1016/j.bbrc.2024.151168

 

<概要>本研究では、エンドセリン刺激によるメラノーマ細胞の増殖にannexin A2が関わるメカニズムを明らかにしました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:三上秀治・小林健太郎)では、高解像度共焦点顕微鏡を使って細胞増殖の解析の支援を行いました。

【電子顕微鏡支援担当:太田啓介(久留米大学)】[2024.12.13]
小柴琢己 教授(福岡大学)の論文が Journal of Biological Chemistryに掲載されました


Ban T., Kuroda K., Nishigori M., Yamashita K., Ohta K., Koshiba T. Prohibitin 1 tethers lipid membranes and regulates OPA1-mediated membrane fusion. Journal of Biological Chemistry (2024) 10.1016/j.jbc.2024.108076:10.1016/j.jbc.2024.108076

<概要>ミトコンドリアは二重の膜で構成されている特徴的なオルガネラで、主に細胞内で消費されるエネルギーの大半を産生する重要な場所です。このような活動を行うために、ミトコンドリアは絶えず融合と分裂によりその形態を維持していますが、その分子機構はこれまであまり理解されていませんでした。本研究では、ミトコンドリアの内膜に局在するタンパク質Prohibitin 1の働きを詳細に解析することで、ミトコンドリア内膜における融合機構の一端を再構成実験系により明らかにしました。本成果は、ミトコンドリア形態異常による疾患理解に大きな貢献が期待されます。ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:太田啓介)では、電子顕微鏡によるプロテオリポソームの解析支援を行いました。

【電子顕微鏡支援:豊岡公徳(理化学研究所)】[2024.12.10]
佐藤明子 教授(広島大学)の論文が EMBO reports に掲載されました

光によって細胞内でのタンパク質の輸送をコントロールできる新しい方法「RudLOV法」を開発しました

Tago T., Ogawa T., Goto Y., Toyooka K., Tojima T., Nakano A., Satoh T., Satoh A. K. RudLOV is an optically synchronized cargo transport method revealing unexpected effects of dynasore. EMBO Reports (2024) 10.1038/s44319-024-00342-z:10.1038/s44319-024-00342-z

<概要>本研究では、光によって細胞内でのタンパク質の輸送をコントロールできる新しい方法「RudLOV法」を開発し、この手法を使って dynamin 阻害剤, dynasore の新しい作用を発見しました。dynamin 2 が積荷タンパク質のゴルジ体からの搬出に必要であることはすでに報告があります。本研究では、 dynasore が dynamin 2 に加えて、ゴルジ体のシス側で機能する未知の因子の機能を阻害することで、ゴルジ体シス槽の成熟を阻害することを示しました。ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:豊岡公徳)では、アレイトモグラフィーによるゴルジ層板構造の3次元的解析支援を行いました。

プレスリリース プレスリリース(広島大学のサイト)

プレスリリース プレスリリース(理化学研究所のサイト)

【電子顕微鏡支援:渡辺雅彦(北海道大学)】[2024.12.16]
橋本谷祐輝 准教授(同志社大学)の論文がeLife に掲載されました

Hirai H., Konno K., Yamasaki M., Watanabe M., Sakaba T., Hashimotodani Y. Distinct release properties of glutamate/GABA co-transmission serve as a frequency-dependent filtering of supramammillary inputs. eLife (2024) 10.7554/eLife.99711:10.7554/eLife.99711

<概要>視床下部に位置する乳頭体上核は海馬へと投射し、歯状回の主要出力細胞である顆粒細胞とシナプスを形成し、グルタミン酸とGABAを共放出することが知られています。しかし、それぞれの神経伝達物質が同じシナプス終末において、どのように貯蔵されているのかよくわかっていませんでした。本研究では、電気生理学的手法と形態学的手法を用いて、グルタミン酸とGABAが別々のシナプス小胞に蓄えられていることを明らかにしました。ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:渡辺雅彦)では樹脂包埋超薄切片による多重蛍光免疫染色と、連続電顕・免疫電顕による興奮性・抑制性シナプスの微細構造解析を担当しました。

【光学顕微鏡支援:三上秀治(北海道大学)】[2024.12.03]
太田信哉 准教授(北海道大学)の論文がNucleic Acids Research に掲載されました

Ohta S., Ohzeki J.-I., Sato N., Tanizawa H., Chung Claire Y.-L., Noma K.-I., Masumoto H. Novel role of zinc-finger protein 518 in heterochromatin formation on α-satellite DNA. Nucleic Acids Research (2024) 10.1093/nar/gkae1162:10.1093/nar/gkae1162

 

<概要>本研究では、ZNF518タンパク質の局在と相互作用を調べることにより、このZNF518がセントロメアタンパク質CENP-Bを介してセントロメアに局在し、さらにヘテロクロマチンタンパク質HP1およびヒストンメチルトランスフェラーゼG9Aと相互作用して、ペリセントロメアのヒストンをメチル化し、SUV39H1を補完する形で、ペリセントロメアのヘテロクロマチン化に寄与することを発見しました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:三上秀治)では、高解像度共焦点顕微鏡によるペリセントロメアのイメージングの支援を行いました。

【電子顕微鏡支援:豊岡公徳(理化学研究所)】[2024.09.04]
佐藤明子 教授(広島大学)の論文が Frontiers in Cell and Developmental Biology に掲載されました

COPI-SNAREタンパク質の欠損はゴルジ体の集合化を引き起こす

Tago T., Yamada Y., Goto Y., Toyooka K., Ochi Y., Satoh T.,Satoh A. K. Golgi clustering by the deficiency of COPI-SNARE in Drosophila photoreceptors. Frontiers in Cell and Developmental Biology (2024) DOI:10.3389/fcell.2024.1442198

<概要>ゴルジ体の基本単位であるゴルジ層板は、ショウジョウバエ・線虫・植物では細胞質に分散しているが、哺乳類では核周辺に集合し互いに連結してゴルジリボンを形成していることが知られています。本研究では、ショウジョウバエの分散型ゴルジ層板が、COPI-SNAREの欠損によりトランスゴルジ網を中心に集合してゴルジリボンを形成することを発見しました。
ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:豊岡公徳)では、アレイトモグラフィーによるゴルジ層板構造の3次元的解析支援を行いました。

プレスリリース プレスリリース(広島大学のサイト)

【電子顕微鏡支援:豊岡公徳(理化学研究所)】[2024.10.31]
松永幸大 教授(東京大学)の論文が Proceedings of the Japan Academy. Series B, Physical and biological sciences に掲載されました

光合成活性を持つ葉緑体を動物細胞に移植することに成功
~光合成可能な動物細胞作製の突破口を開く~

Aoki R., Inui Y., Okabe Y., Sato M., Takeda-Kamiya N., Toyooka K., Sawada K., Morita H., Genot B., Maruyama S., Tomo T., Sonoike K.,Matsunaga S. Incorporation of photosynthetically active algal chloroplasts in cultured mammalian cells towards photosynthesis in animals. Proceedings of the Japan Academy Series B Physical and Biological Sciences (2024) DOI:10.2183/pjab.100.035

<概要>本研究では、細胞内に導入された葉緑体の状態を電子顕微鏡と蛍光顕微鏡を用いてを調べることにより、 外から導入した葉緑体が2日間維持されることを発見しました。
ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:豊岡公徳)では、電子顕微鏡を使用し、光-電子相関顕微鏡法により撮像する支援を行いました。

プレスリリース プレスリリース(東京大学のサイト)

【光学顕微鏡支援:根本知己(生理学研究所)】[2024.08.06]
大野良和 特任助教(北里大学)の論文が Frontiers in Marine Science に掲載されました

サンゴの骨格形成過程で生じる結晶微粒子を可視化
―サンゴ骨格の立体構造に関与する石灰化中心―

Ohno Y., Takahashi A., Tsutsumi M., Kubota A., Iguchi A., Iijima M., Mizusawa N., Nakamura T., Suzuki A., Suzuki M., Yasumoto J., Watabe S., Sakai K., Nemoto T.,Yasumoto K. Live imaging of center of calcification formation during septum development in primary polyps of Acropora digitifera. Frontiers in Marine Science (2024) DOI:10.3389/fmars.2024.1406446

<概要>サンゴは炭酸カルシウムを主成分とした立体的な骨格を形成します。骨格形成の成長部には石灰化中心が存在し、垂直方向に成長する骨格である隔壁の形成に関わることが近年の研究で示唆されていました。本研究では、蛍光イメージングによって、生体のサンゴ稚ポリプの石灰化中心の直接観察に成功しました。
ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:根本知己、堤元佐)では、石灰化中心付近における炭酸カルシウム結晶の画像解析による追跡を支援しました。

プレスリリース プレスリリース(北里大学のサイト)

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