【電子顕微鏡支援担当:小池正人(順天堂大学)】[2023.07.20]
西田友哉 准教授(順天堂大学)の論文が Biochemical and Biophysical Research Communications に掲載されました


Kanai A., Nishida Y., Iwamoto T., Yokota M., Aoyama S., Ueki K., Ito M., Uzawa H., Iida H., Koike M., Watada H. Genome-wide screening for regulators of degradation of insulin secretory granules with a fluorescent reporter. Biochemical and Biophysical Research Communications 676, 132-140 (2023) DOI:10.1016/j.bbrc.2023.07.040

<概要>本研究では、インスリン分泌顆粒分解機構解明のため、インスリン分泌顆粒分解をモニターする蛍光レポーターを開発し、栄養飢餓により誘導されるインスリン分泌顆粒分解がリソソーム依存的であることを発見しました。さらにその蛍光レポーターを用いたゲノムワイドスクリーニングにより、インスリン分泌顆粒分解においては従来型オートファジーとは別の機構が関与していることを明らかにしました。ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:小池正人)では、栄養飢餓誘導とリソソーム阻害剤処理を行ったMIN6細胞における、インスリン分泌顆粒含有リソソームを評価する支援を行いました。

【光学顕微鏡支援:野中茂紀、亀井保博(基礎生物学研究所)・画像解析支援:上野直人(基礎生物学研究所)】[2023.06.23]
近藤晶子 助教(帝京大学)の論文が Development Growth & Differentiation に掲載されました


Kondow A., Ohnuma K., Taniguchi A., Sakamoto J., Asashima M., Kato K., Kamei Y., Nonaka S. Automated contour extraction for light-sheet microscopy images of zebrafish embryos based on object edge detection algorithm. Development Growth & Differentiation (2023) DOI:10.1111/dgd.12871

<概要>本研究では、時系列データの変化点検出手法を画像のエッジ検出に応用し、ゼブラフィッシュ初期胚の輪郭を、自家蛍光像など胚の輪郭が特異的に標識されていない画像から抽出する手法を開発しました。この手法では単一のパラメーター値が比較的広いバリエーションの画像に適用できたため、胚の3Dタイムラプス画像の小スケール解析を自動化するのに役立つと期待されます。ABiS・光学顕微鏡支援(担当:野中茂紀、亀井保博)では光シート顕微鏡を使用したゼブラフィッシュ胚のライブイメージングで、画像解析支援(担当:上野直人、加藤輝)では輪郭抽出手法の開発で支援を行いました。

【電子顕微鏡支援担当:小池正人(順天堂大学)】[2023.05.25]
粂昭苑 教授(東京工業大学)の論文が Stem Cells に掲載されました


Leo S., Kato Y., Wu Y.M., Yokota M., Koike M., Yui S., Tsuchiya K., Shiraki N., Kume S. The effect of Vitamin D3 and Valproic Acid on the maturation of human induced pluripotent stem cell-derived enterocyte-like cells. Stem Cells (2023) DOI:10.1093/stmcls/sxad042

<概要>本研究では、ビタミンD3とバルプロ酸処理によって、ヒトiPS細胞由来腸上皮様細胞において、腸上皮細胞機能関連遺伝子群の発現を上昇することをRNAシーケンス等を行い、明らかにしました。ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:小池正人)では、ビタミンD3とバルプロ酸処理を行ったiPS細胞由来腸上皮様細胞の電子顕微鏡観察を行い、微絨毛と接着複合体の形成を評価する支援を行いました。

【画像解析支援:檜垣匠(熊本大学)】[2023.05.31]
竹田哲也 研究准教授(岡山大学)の論文が Journal of Cell Science に掲載されました


がん細胞の集団運動の制御に関わるPacsin 2の機能を解明
抗がん剤の新たな分子標的や診断バイオマーカー候補として期待!

Wint H., Li J., Abe T., Yamada H., Higaki T., Nasu Y., Watanabe M., Takei K., Takeda T. Pacsin 2-dependent N-cadherin internalization regulates the migration behaviour of malignant cancer cells. Journal of Cell Science (2023) DOI:10.1242/jcs.260827

<概要>本研究では、がんの浸潤や転移に関わる細胞の集団運動を制御する分子メカニズムを明らかにしました。ABiS・画像解析支援(支援担当:檜垣匠)では、細胞接着装置の時空間分布を定量化する方法を確立し、細胞接着装置のエンドサイトーシス機構の解明につながる支援を行いました。

プレスリリース プレスリリース(岡山大学のサイト)
プレスリリース プレスリリース(熊本大学のサイト)

【光学顕微鏡支援:藤森俊彦(基礎生物学研究所)】[2023.05.19]
杉原圭 助教(九州大学)の論文が iScience に掲載されました


細胞の境界の湾曲構造に隠れた原理を発見

Miyazaki S., Otani T., Sugihara K., Fujimori T., Furuse M., Miura T. Mechanism of interdigitation formation at apical boundary of MDCK cell. iScience (2023) DOI:10.1016/j.isci.2023.106594

<概要>本研究では、腎尿細管由来の上皮細胞株MDCK細胞の密着結合の湾曲構造に関して、構造の大きさと振幅にスケーリングと呼ばれる法則性があることを発見しました。次に、このような構造は、湾曲の長さを最小化する働きと、膜をランダムに変形させる働きの組み合わせによって生じることを示しました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:藤森俊彦)では、ライブイメージングにより、in vivoでの尿細管の構造形成を可視化する支援を行いました。

プレスリリース プレスリリース(九州大学のサイト)
プレスリリース プレスリリース(生理学研究所のサイト)
プレスリリース プレスリリース(EurekAlert!)

【電子顕微鏡支援担当:小池正人(順天堂大学)】[2023.05.15]
小松雅明 教授(順天堂大学)の論文が Developmental cell に掲載されました


新たなオートファジー経路を発見 ― 革新的技術が明らかにした細胞の恒常性を維持する仕組み ―

Kurusu R., Fujimoto Y., Morishita H., Noshiro D., Takada S., Yamano K., Tanaka H., Arai R., Kageyama S., Funakoshi T., Komatsu-Hirota S., Taka H., Kazuno S., Miura Y., Koike M., Wakai T., Waguri S., Noda N.N., Komatsu M. Integrated proteomics identifies p62-dependent selective autophagy of the supramolecular vault complex. Developmental Cell (2023) DOI:10.1016/j.devcel.2023.04.015

<概要>本研究では、オートファジーによって分解されるたんぱく質を効率よく精製し同定する革新的手法を開発しました。その結果、細胞内の巨大なたんぱく質複合体「ヴォルト」が新たなオートファジー経路により分解されること、ヴォルトの分解不全は肝細胞がんと関連することを見出しました。ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:小池正人)では、凍結超薄切片を用いた免疫電子顕微鏡により、細胞内の液滴に局在する分子を可視化する支援を行いました。

プレスリリース プレスリリース(順天堂大学のサイト)

【電子顕微鏡支援担当:村田和義(生理学研究所)】[2023.05.15]
神吉智丈 教授(新潟大学)の論文が Molecular Cell に掲載されました


新規ミトコンドリア分裂因子を発見
~マイトファジーの過程における ミトコンドリア分裂のメカニズムを解明~

Fukuda T., Furukawa K., Maruyama T., Yamashita S.I., Noshiro D., Song C., Ogasawara Y., Okuyama K., Alam J.M., Hayatsu M., Saigusa T., Inoue K., Ikeda K., Takai A., Chen L., Lahiri V., Okada Y., Shibata S., Murata K., Klionsky D.J., Noda N.N., Kanki T. The mitochondrial intermembrane space protein mitofissin drives mitochondrial fission required for mitophagy. Molecular Cell, (2023) DOI:10.1016/j.molcel.2023.04.022

<概要>本研究では、新規のミトコンドリア分裂因子であるMitofissin(Mitochondrial fission protein)を発見し、この因子がマイトファジーの際にミトコンドリアをオートファゴソームに収まる大きさに分裂させることを明らかにしました。ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:村田和義)では、連続ブロック表面SEMを使用し、Mitofissinがミトコンドリアをオートファゴソームに収まる大きさに分裂させる様子を可視化する支援を行いました。

プレスリリース プレスリリース(新潟大学のサイト)

【光学顕微鏡支援:東山哲也(名古屋大学)】【画像解析支援:檜垣匠(熊本大学)】[2023.02.27]
植田美那子 教授(東北大学)の論文が Life Science Alliance に掲載されました


植物の細胞分裂を阻害する新たな薬剤を発見 ~コケ植物から被子植物まで、多様な植物種に効果あり~

Kimata Y., Yamada M., Murata T., Kuwata K., Sato A., Suzuki T., Kurihara D., Hasebe M., Higashiyama T., Ueda M. Novel inhibitors of microtubule organization and phragmoplast formation in diverse plant species. Life Science Alliance (2023) DOI:10.26508/lsa.202201657

<概要>本研究では、シロイヌナズナの受精卵を用いて細胞分裂を阻害する化合物のスクリーニングを行い、核分裂と細胞板形成を阻害する新規薬剤を見出しました。
ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:東山哲也)では、二光子励起顕微鏡を使用して深部イメージングする支援を行いました。また、ABiS・画像解析支援(支援担当:檜垣匠)では、ライブイメージング像を定量化する支援を行いました。

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【電子顕微鏡支援担当:大野伸彦(生理学研究所)】[2023.02.21]
上野将紀 教授(新潟大学)の論文が eLife に掲載されました


脳脊髄液を感知する謎のニューロン - 歩行をになう神経回路と機能を解明 -

Nakamura Y., Kurabe M., Matsumoto M., Sato T., Miytashita S., Hoshina K., Kamiya Y., Tainaka K., Matsuzawa H., Ohno N., Ueno M. Cerebrospinal fluid-contacting neuron tracing reveals structural and functional connectivity for locomotion in the mouse spinal cord. eLife(2023) DOI:10.7554/eLife.83108

<概要>本研究では、脳脊髄液の感知に関わると想定されてきた細胞、脳脊髄液接触ニューロン(cerebrospinal fluid-contacting neurons)がもつ神経のネットワークと歩行運動への機能を明らかにしました。ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:大野伸彦)では、SBF-SEMを使用し、脳脊髄液接触ニューロンの細胞構造とシナプス接続の特性を解明する支援を行いました。

プレスリリース プレスリリース(新潟大学のサイト)

プレスリリース プレスリリース(生理学研究所のサイト)

【電子顕微鏡支援担当:大野伸彦(自治医科大学)・深澤有吾(福井大学)】[2022.11.01]
松井広 教授(東北大学)の論文がNature Neuroscience に掲載されました


シナプスを食べて憶える ~グリア細胞による神経細胞の微細構造の貪食が記憶を支える ~

Morizawa Y.M., Matsumoto M., Nakashima Y., Endo N., Aida T., Ishikane H., Beppu K., Moritoh S., Inada H., Osumi N., Shigetomi E., Koizumi S., Yang G., Hirai H., Tanaka K., Tanaka K.F., Ohno N., Fukazawa Y., Matsui K. Synaptic pruning through glial synapse engulfment upon motor learning. Nature Neuroscience 25, 1458-1469 (2022) DOI:10.1038/s41593-022-01184-5

<概要>本研究では、学習後の脳内シナプスを調べることにより、グリア細胞のシナプスの貪食が学習記憶を支えていることを発見しました。ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:大野伸彦・深澤有吾)では、高分解能走査型電子顕微鏡を使用し、脳内のシナプスを含む超微細構造の変化を解析する支援を行いました。

プレスリリース プレスリリース(東北大学のサイト)

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