RESEARCH 食虫植物の進化(5)フクロユキノシタの環境による葉形態可塑性の分子機構
(Gergo Palfalvi 院生、コロラド大学・福島健児学振海外特別研究員との共同研究:大学院生募集中)
環境は一定ではありません。今朝6時の温度と明るさは昨日とも明日とも違います。ましてや、昨年と較べると大きく異なります。また、何年に一回かの大雨が降ったり、猛暑が来たりします。生物はこんな環境の変化に耐えるためにいろいろな方策を持っています。その一つが可塑性です。環境に応じて体を変えてしまう。フクロユキノシタは、長日条件(16時間明、8時間暗)では25度で捕虫葉、15度で平面葉を形成することがわかりました。しかし、屋外の変動環境下では、どうやってこれらを作り分けているのでしょう。また、捕虫葉で十分獲物を捕った場合や全く捕れなかった場合では、違いがあるのでしょうか。Palfalvi君と福島君は温度や栄養などの環境変化によって遺伝子発現やクロマチン状態がどう変わるかをゲノムワイドに解析することで、この問題に迫ろうとしています。
普通葉と捕虫葉の両方をつけるフクロユキノシタ
普通葉だけを付けた株
袋だけを付けた株