RESEARCH コモウセンゴケのゲノム解読と捕虫葉形態進化
(上田千晴 院生、石川雅樹 助教、玉田洋介 助教:東北大学・柴田朋子 助教、東大・笠原雅弘 講師、基生研・重信秀二 准教授、金沢大・西山智明 助教らとの共同研究)
これまで非モデル生物の新規ゲノム解読はかなりの予算と時間と労力が必要でした。柴田朋子 研究員は東大・笠原雅弘 博士、基生研・重信秀二 博士、金沢大・西山智明 博士らとの共同研究でPacBio RSシーケンサーを用いて、350 Mbのコモウセンゴケゲノムを実質一か月、約100万円程度でN50 contig = 0.3 Gbという十分な質のゲノム概要配列決定に成功しました。この方法を用いれば、今後、進化的に重要ないろいろな非モデル生物のゲノムが容易に解読できるようになることが期待できます。また、コモウセンゴケの形質転換は上田 院生がほぼ確立し、遺伝子機能解析ができるようになりました。
コモウセンゴケの繊毛は獲物を捕らえると屈曲し、消化液を分泌します。それに加え、通常の植物の毛と異なり、内部に道管が通っています。こんな毛はいったいどのように進化してきたのでしょうか。上田 院生が異なった発生段階の葉を比較トランスクリプトーム解析することによって毛発生に関わる遺伝子を見つけようとしています。請うご期待。