研究概要

RESEARCH 幹細胞化の分子機構:(3)幹細胞化におけるオーキシンの役割

(今井章裕 元NIBB Research fellow [現・広島工業大学 助教]:永島明知 元研究員、倉田哲也 元グループリーダー、青山剛士 研究員らとの共同研究)

植物ホルモンであるオーキシンがは幹細胞化に関与することがわかってきました。また、低分子 RNA によるオーキシン応答性転写因子 ARF の制御、ARF によるオーキシンの生合成および輸送制御などが組み合わさって、幹細胞化が進行するらしいこともわかってきました。しかし、細胞内のオーキシン量は生合成、代謝、細胞間輸送によってダイナミックに変化します。従来のイメージング手法で、オーキシン量の変動を正確に定量することは困難でした。今井章裕 NIBB Research fellow は米国 Duke 大学の Benfey 教授の研究室に2年間滞在し、さらに、ドイツの Freiburg 大学の Palme 教授と共同研究を行うことで、細胞レベルでオーキシン量や低分子 RNA を定量できるルシフェラーゼや蛍光タンパク質を用いた検出系を確立しようとしています。幹細胞化におけるオーキシン、ARF、低分子RNAのそれぞれの役割とはいったい何なのか。新たなイメージング手法を駆使しながら、この問題に挑戦しています。