研究概要

RESEARCH 幹細胞化の分子機構:(2)幹細胞化過程のエピジェネティックな変化を細胞レベルで検出する

(玉田洋介 助教、村田隆 准教授他:大学院生募集中

これまでの研究から、幹細胞化にはクロマチンや DNA の修飾変化のようなエピジェネティック制御が関係することがわかってきました。しかし、切断した葉の中には幹細胞化する細胞やしない細胞が混ざっており、また、それらの中間の細胞もあります。従って、幹細胞化にどのようなエピジェネティック変化が機能しているかを知るためには、細胞ごとにクロマチンや DNA 修飾を経時的に観察する必要があります。しかし、植物細胞で核の中のクロマチンやDNAの修飾を観察することは細胞壁や葉緑体による屈折率のゆらぎによって極めて困難でした。そこで、玉田 助教は、天文学で大気のゆらぎを補正して星を見る補償光学望遠鏡技術を顕微鏡に導入できないかと考案し、自然科学研究機構の分野間連携プログラムのサポートを受け、村田隆 准教授、国立天文台ハワイ観測所の服部雅之 研究員(現基生研)、早野裕 助教、大屋真 研究員、基礎生物学研究所の亀井保博 准教授、野中茂紀 准教授らと共同研究チームを発足し、細胞ごとの経時的エピジェネティック変化の観察という夢に向けて、補償光学顕微鏡の開発を行っています。