理論生物学領域
理論生物学研究部門
情報生物学研究センター
生命科学における情報量が目覚しく増加している一方で、それらを統合し高次生命現象の理解に繋げる事が、次の課題として求められている。これに対し本研究部門では、計算機や数理的手法を用いて取り組んでいる。例えば初期胚において一様な場から自律的に形態が作られる過程は、偏微分方程式などの空間構造を取り入れた数理モデルにより、理解できる。また過去の進化イベントの解明にも計算機は力を発揮する。その他にも複雑な現象や実験が困難な現象など、理論的手法が有効な課題は様々である。具体的には、(1) 微分方程式やセル・オートマトンによる形態形成の研究、(2) 遺伝子ネットワークの理論、(3) 理論進化生物学を主な研究テーマとしている。
ゲノム情報研究室(培養育成研究施設)
当研究室では、情報科学的アプローチで大量のゲノム情報から生命現象の理解を目指す研究を行っている。特に、近年急速にデータが蓄積し、自然界における多様性の実態が明らかになりつつある微生物のゲノムを対象として、網羅的な比較解析によるゲノム情報の体系化と、それに基づくゲノムの機能や進化の解明を目指した研究を行っている。このため、多数のゲノムを同時に比較するための高速オーソログ分類手法の開発や、それに基づく網羅的な比較ゲノムデータベースの構築を行ってきた。こうした情報基盤に基づいて、水平移動を含む複雑な微生物ゲノムの進化プロセスの解明に向けた取り組みを進めている。