大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 基礎生物学研究所

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共同利用研究

細胞生物学領域

高次細胞機構研究部門

高等植物細胞を構成する様々なオルガネラは、定常状態で機能しているのではなく、細胞の成長、分化に伴って、生成あるいは消失したり、その機能を変換したりするなど極めて動的な状態におかれている。本研究部門では、こうしたオルガネラの動的変動こそが、高等植物細胞の分化の柔軟性を成り立たせている基本機構の1つであるとの観点にたって、特にペルオキシソームの可逆的機能転換(グリオキシソームと緑葉ペルオキシソーム)及び、種子の登熟・発芽時における液胞-プロテインボディの相互変換に介在する調節機構を解析している。更に、タンパク質輸送レセプターの機能解析、オルガネラの分裂についての研究も遂行しており、突然変異体、形質転換植物、RNAi, DNAマイクロアレイ、プロテオーム、酵母2ハイブリット、GFP、高圧凍結電子顕微鏡などのテクニックを用いて高等植物細胞を構築する分子機構の動態を多面的に明らかにしようとしている。

分子細胞生物学研究部門

細胞は合成と分解反応の見事なバランスによって維持されている。細胞内分解は、主として細胞質で起こる特異的な分解と、リソソーム/液胞系で起こる非特異的で大規模な分解経路に大別される。本研究部門では、栄養飢餓などによって誘導される自己構成成分の分解、すなわちオートファジーの分子機構とその生理的な意義の解明を目指している。とりわけオートファゴソームの形成に関わる2つのユビキチン様経路、タンパク質、脂質キナーゼの機能の解明を進めている。これまでほとんど理解されていない細胞の飢餓応答の仕組み、オルガネラ分解、バルク分解の細胞増殖や細胞分化、細胞死などにおける役割について細胞生物学、生化学、遺伝学、分子生物学、構造生物学などの多面的なアプローチを用い、主として酵母、植物などの系を用いて総合的な研究を展開している。

細胞構造研究室

細胞は生物の基本単位である。この細胞内ではその生命活動を維持するため様々な物質の移動がシステムだてて行われている。それを保証するのが細胞内に張り巡らされた鉄道網ともいうべき細胞骨格である。細胞内でできた物質や細胞外から来る物質はこの細胞骨格に沿って然るべき場所に運ばれる。その際、生物分子モーターと呼ばれる蛋白質が列車の役目をしている。本研究室では微小管細胞骨格の上を動き回るダイニンについて研究をしている。

細胞社会学研究室(培養育成研究施設)

哺乳類以外の動物は孵化すると直ちに自然にある餌を食べる。哺乳類は卵に貯えられた栄養分が少ないために発生の初期で孵化し、成長に必要な栄養分を取るために母親に寄生する。母親から栄養や酸素を受け取り、老廃物や二酸化炭素を渡す器官が胎盤である。胎盤は胎児由来の組織であるが、その形成には母親由来の細胞との相互作用が不可欠と考えられる。本研究室では母と子の細胞間相互作用を研究している。

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