公募研究

新学術領域「新光合成:光エネルギー変換システムの再最適化」
公募研究募集要項(平成31~32年度)

光合成反応は、その駆動に光エネルギーを必要とする一方、光エネルギーが反応の場に障害をもたらすというトレードオフを内包している。そのため傷害からの防御機構が発達した。植物は、進化の過程で「光の利用」と「光からの防御」のバランスを最適化してきたが、現在の栽培環境にある作物等は必ずしも最適化された状態にあるとは限らない。すなわち、現存する植物の光合成機能を向上させようとする場合、「光の利用」と「光からの防御」のバランスを現在の環境において再最適化する戦略が考えられる。このバランス制御の中核は葉緑体チラコイド膜を介したプロトン駆動力(膜電位およびプロトン濃度勾配)である。本研究領域では、植物生理生化学を基本に、構造生物学、システムバイオロジー、膜電気生理学等を融合し、プロトン駆動力による光合成制御を分子レベルからシステムレベルまで解明することで新光合成の確立を目指す。

公募研究では、プロトン駆動力を生成および制御するメカニズムやプロトン駆動力によって制御される現象を研究対象とするA01班と、プロトン駆動力制御の解析システムを研究対象とするA02班について、計画研究と目標を共有する研究を募集する。

特に、
・我が国の基礎光合成分野の裾野拡大と新展開につながる研究
・メカニズム理解を基盤に光合成機能の改良や光エネルギー変換の新技術を開発する研究
・本研究領域が設置する光合成解析センター・光合成リソースセンターを積極的に活用する研究等、
本研究領域の目標達成に向けて研究領域内での活発な共同研究を実施する提案を歓迎する。計画研究ではモデル生物であるシロイヌナズナ・クラミドモナスなどに焦点を絞っているが、公募研究では非モデル生物を用いた研究も積極的に取り入れる。

研究計画調書には、研究領域にどのように貢献できるか、および研究領域内でどのように共同研究を行っていくのか具体的に記載されていることが望ましい(事前に計画班メンバーの了解を取る必要はありません)。

研究項目   応募上限額(単年度)    採択目安件数
A01 プロトン駆動力の制御機構

A02 解析システムの新展開
350万円8件
250万円10件

※応募に際しては、次の点にご留意ください。

研究項目A01(プロトン駆動力の制御機構)あるいはA02(解析システムの新展開)のいずれかを選択。また、年間上限350万円あるいは250万円のいずれかを選択(前者は8件程度、後者は10件程度採択の予定。)なお、A01課題の上限が350万円、A02課題の上限が250万円というわけではありません。いずれの研究項目であっても、350万円、250万円のどちらにも応募できます。

平成31年度科学研究費助成事業‐科研費‐(新学術領域研究・特別研究促進費)の公募について(文科省)

ページトップ↑