ゲノムインフォマティクス・トレーニングコース 2015 秋 開催報告

ゲノムインフォマティクス・トレーニングコース 2015 秋
「RNA-seq 入門 – NGS の基礎から de novo 解析まで」
開催報告

生物機能情報分析室 重信秀治

日程:2015 年 9 月 9 日 – 11 日
受講生:22 名(所外 19 名、所内 3 名)
講師:
重信秀治(基礎生物学研究所 生物機能解析センター 特任准教授)【オーガナイザー】
内山郁夫(基礎生物学研究所 生物機能解析センター 助教)
佐藤昌直(慶應義塾大学 特任助教)【外部講師】
山口勝司(基礎生物学研究所 生物機能解析センター 技術職員)
西出浩世(基礎生物学研究所 生物機能解析センター 技術職員)

概要
 ゲノムインフォマティクス・トレーニングコース「RNA-seq 入門」は、生物情報学を専門としない生命科学研究者を対象に、次世代シークエンサー(NGS)を使ったトランスクリプトーム解析(RNA-seq)をどのように実験デザインし、どのように膨大な遺伝子発現データから生物学的な情報を抽出するのか、その基礎的技術と考え方を身に付けることを目指したものです。次世代シークエンスデータのフォーマットの理解などの基礎的事項から、ゲノム情報のない生物種でトランスクリプトーム解析を可能にする de novo RNA-seq 解析などの発展的内容までを、講義とコンピュータを用いた演習を組み合わせて行いました。本コースを特色づける「統計学」のセッションは慶應義塾大学の佐藤昌直先生に外部講師として担当していただきました。
 参加者は 22 名であり、定員(16名)を大幅に超える 67 名もの応募から書類選考を行いました。RNA-seq の各方面への浸透、受講生の層の多様化が見られ、今回は大学等の共通機器施設の教員・職員や教授・助教授クラスの PI に多く参加していただきました。今後の波及効果を期待しています。1 日目の夕刻には懇親会を通して参加者同士の交流を深めました。受講生には、演習用のデータセットを USB ディスクにコピーして配布し、復習が可能なように配慮しました。アンケートの結果からは、ほとんどの方が、難易度が高いと感じつつも、コースに対する満足度は大変高いことが伺えました。また何をこれから勉強して行けば良いのかが分かり、これから学ぶための足がかりとなったというコメントを複数いただきました。

参考リンク
研究所のトレーニングコース公式ページ:http://www.nibb.ac.jp/training/2015-2nd/
コースのサポートページ:https://github.com/nibb-gitc/gitc2015a-rnaseq/wiki

プログラム
日程:2015 年 9 月 9 日(水)13:30 ~ 11 日(金)17:00 2.5 日間

1 日目:
概論[重信]
UNIX 入門[西出]
NGS 基本フォーマット [山口]
NGS 基本ツール 1, 2 [山口]
懇親会

2 日目:
NGS 基本ツール 3 [山口]
統計学入門 [佐藤]
R 入門 [内山]
RNA-seq 基礎 [重信]
RNAseq genome base [山口]

3 日目:
RNAseq de novo [重信]
多変量解析 [佐藤]
実践演習

研究報告:アリのコミュニケーション 触角に秘密 [神戸大学との共同利用研究成果] 

神戸大学理学研究科の北條賢特命助教、佐倉緑准教授、尾崎まみこ教授らとの次世代シーケンサー共同利用研究の成果論文が Scientific Reports 誌に掲載されました。
詳しくは下記 URL をご覧ください。

この研究には生物機能情報分析室のメンバーも大きく貢献しました。
共著:重信、山口
謝辞:浅尾、北爪、藤田

アリのコミュニケーション 触角に秘密(共同利用研究成果)
URL:http://www.nibb.ac.jp/pressroom/news/2015/09/04.html

テクニカルセミナー:超高分解能フーリエ変換型質量分析装置 オービトラップ活用テクニカルセミナーが開催されました

本日、超高分解能フーリエ変換型質量分析装置 オービトラップ活用テクニカルセミナーが開催されました。

14 名の方が参加し、サーモフィッシャーサイエンティフィックの方から以下の内容に関して詳しく説明を聞くことができました。

内容:
1.装置の紹介
2.プロテオーム解析の前処理と応用
3.オービトラップの基礎
4.プロテオミクスの最新アプリケーション
  ショットガンプロテオーム
  定量解析
  リン酸化ペプチド・糖鎖付加ペプチド
  インタクトタンパク質

質疑応答も活発に行われ、参加者にとっても有意義な時間になったのではないかと思います。
生物機能情報分析室は今後も定期的にテクニカルセミナーを開催する予定です。
興味のある方は是非、ご参加下さい。