成果発表
【電子顕微鏡支援:小池正人(順天堂大学)】[2019.05.10]
岡崎朋彦 助教(東京大学)の論文が Journal of Cell Science に掲載されました
Tanaka H., Okazaki T., Aoyama S., Yokota M., Koike M., Okada Y., Fujiki Y., Gotoh Y. Peroxisomes control mitochondrial dynamics and the mitochondrion-dependent apoptosis pathway . J Cell Sci, (2019) DOI:10.1242/jcs.224766
<概要>本研究では、ペルオキシソームが実はミトコンドリアを伸長させるミトコンドリア動態制御機能を持つことを明らかにしました。更にこの機能が破綻することでミトコンドリアが断片化し、ミトコンドリアを経由する細胞死誘導経路の異常活性化と、ストレス感受性の亢進が起こることも明らかにしました。 ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:小池正人)では、ペルオキシソーム欠損細胞におけるミトコンドリアの形態異常を観察する支援を行いました。
【光学顕微鏡支援:東山哲也(名古屋大学)】[2019.04.30]
野副朋子 専任講師(明治学院大学)の論文が Frontiers in Plant Science に掲載されました
Nozoye T., von Wirén N., Sato Y., Higashiyama T., Nakanishi H., Nishizawa N.K. Characterization of the Nicotianamine Exporter ENA1 in Rice. Frontiers in Plant Science 10, (2019) DOI:10.3389/fpls.2019.00502
<概要>本研究では、ニコチアナミン排出型トランスポーターENA1の細胞内局在等を調べることにより、ENA1は根の細胞膜とクロロプラスト等の細胞内小器官の間を小胞輸送により巡回していること、ENA1の機能が植物の鉄恒常性維持に関与している可能性を発見しました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:東山哲也・佐藤良勝)では、ニコチアナミン排出因子ENA1の局在に関する光学顕微鏡解析支援を行いました。
【電子顕微鏡支援:村田和義(生理学研究所)】[2019.01.22]
河合寿子 研究員(基礎生物学研究所 現:山形大学 助教)の論文が Journal of Biological Chemistry に掲載されました
Kubota-Kawai H., Burton-Smith R.N., Tokutsu R., Song C., Akimoto S., Yokono M., Ueno Y., Kim E., Watanabe A., Murata K., Minagawa J. Ten antenna proteins are associated with the core in the supramolecular organization of the photosystem I supercomplex in Chlamydomonas reinhardtii. J Biol Chem 294, 4304-4314 (2019) DOI:10.1074/jbc.RA118.006536
<概要>本研究では、緑藻が持つ光化学系I(PSI)と集光アンテナ(LHCI)との複合体構造解析を行い、PSIのPsaF/PsaFサブユニット側に8分子のLHCIが二層構造で結合し、PSIのPsaB側に2分子のLHCIが結合していることを明らかとしました。ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:村田和義)では、クライオ電子顕微鏡を使用して緑藻型PSI-LHCI複合体の単粒子構造解析支援を行いました。
【光学顕微鏡支援:東山哲也(名古屋大学)】[2018.11.28]
井川智子 准教授(千葉大学)の論文が Development に掲載されました
被子植物重複受精をコントロールする新因子の発見
〜120年来の謎 解明の手がかり〜
Takahashi T., Mori T., Ueda K., Yamada L., Nagahara S., Higashiyama T., Sawada H., Igawa T. The male gamete membrane protein DMP9/DAU2 is required for double fertilization in flowering plants. Development 145, (2018) DOI:10.1242/dev.170076
<概要>本研究では,被子植物の精細胞で発現するDMP9が新規の重複受精制御因子であること,さらに卵細胞との受精制御に関わることを明らかにしました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:東山哲也・佐藤良勝)では、重複受精におけるDMP9変異精細胞の動態を解析するために,共焦点顕微鏡を用いたタイムラプス観察を支援しました。
プレスリリース(千葉大学のサイト)
【光学顕微鏡支援:根本知己(北海道大学)】[2019.03.01]
高橋正行 准教授(北海道大学)の論文がExperimental Cell Research に掲載されました
Yamamoto K., Otomo K., Nemoto T., Ishihara S., Haga H., Nagasaki A., Murakami Y., Takahashi M. Differential contributions of nonmuscle myosin IIA and IIB to cytokinesis in human immortalized fibroblasts. Experimental cell research 376, 67-76 (2019) DOI:10.1016/j.yexcr.2019.01.020
<概要>本研究では、細胞質分裂におけるミオシンIIアイソフォーム(NMIIAとNMIIB)の役割を明らかにすることを目的とし、それぞれを特異的にノックダウンしたヒト不死化線維芽細胞の挙動をタイムラプスにより解析しました。その結果、NMIIAとNMIIBはそれぞれ分裂溝の収縮を加速および減速させる機能をもつことを見出しました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:根本知己)では、多点走査型2光子顕微鏡による3次元細胞イメージング支援を行いました。
【光学顕微鏡支援:東山哲也(名古屋大学)】[2019.01.28]
大崎雄樹 准教授(名古屋大学)の論文が Nature Communications に掲載されました
肝細胞の中の脂肪滴はストレスに対抗する機能を持つことが明らかに!
Soltysik K., Ohsaki Y., Tatematsu T., Cheng J., Fujimoto T. Nuclear lipid droplets derive from a lipoprotein precursor and regulate phosphatidylcholine synthesis. Nature communications 10, 473 (2019) DOI:10.1038/s41467-019-08411-x
<概要>本研究では肝癌由来細胞ならびにマウス肝細胞の形態的観察により、核内脂肪滴が小胞体内腔のリポプロテイン前駆体に由来して形成されること、核内脂肪滴ではphosphatidylcholine合成経路の律速酵素CCTalphaが活性化されることを見出しました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:東山哲也)では、肝癌由来細胞の核内脂肪滴の動態をタイムラプスイメージングにより解析する支援を行いました。
プレスリリース(名古屋大学のサイト)
【光学顕微鏡支援:東山哲也(名古屋大学)】【画像解析支援:檜垣匠(熊本大学)】[2019.01.15]
植田美那子 特任講師(名古屋大学)の論文が Proceedings of the National Academy of Sciences に掲載されました
Kimata Y., Kato T., Higaki T., Kurihara D., Yamada T., Segami S., Morita M.T., Maeshima M., Hasezawa S., Higashiyama T., Tasaka M., Ueda M. Polar vacuolar distribution is essential for accurate asymmetric division of Arabidopsis zygotes. Proc Natl Acad Sci U S A (2019) DOI:10.1073/pnas.1814160116
<概要>本研究では、シロイヌナズナの受精卵をライブイメージングすることにより、液胞の動態が受精卵の非対称分裂および植物のかたち作りに必須であることを発見しました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:東山哲也)では、二光子励起顕微鏡を使用して深部イメージングする支援を行いました。また、ABiS・画像解析支援(支援担当:檜垣匠)では、ライブイメージング像を定量化する支援を行いました。
【電子顕微鏡支援:村田和義 (生理学研究所)】[2018.10.23]
飯野亮太教授(分子科学研究所)の論文がScientific Reports に掲載されました
Tsunoda J., Song C., Imai F.L., Takagi J., Ueno H., Murata T., Iino R., Murata K. Off-axis rotor in Enterococcus hirae V-ATPase visualized by Zernike phase plate single-particle cryo-electron microscopy. Sci Rep 8, 15632 (2018) DOI:10.1038/s41598-018-33977-9
<概要>本研究では、腸球菌が持つV-ATPase(EhV-ATPase)の構造解析を行い、細胞質内のV1-ATPaseから伸びる回転子が中心軸から外れて膜内のイオンポンプVoに結合していることを発見しました。ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:村田和義)では、位相差クライオ電子顕微鏡を使用し、V-ATPaseの単粒子構造解析支援を行いました。
【MRI支援:青木茂樹 (順天堂大学)】[2018.09.10]
原祥子 大学院生・クリニカルアシスタント(東京医科歯科大学)の論文が Stroke に掲載されました
Hara S., Hori M., Murata S., Ueda R., Tanaka Y., Inaji M., Maehara T., Aoki S., Nariai T. Microstructural Damage in Normal-Appearing Brain Parenchyma and Neurocognitive Dysfunction in Adult Moyamoya Disease. Stroke 49, 2504-7 (2018) DOI:10.1161/STROKEAHA.118.022367
<概要>本研究では、成人もやもや病の脳微細構造および認知機能障害との関連を拡散MRI(neurite orientation dispersion and density imaging:NODDI)を用いて解析しました。結果、もやもや病による慢性脳虚血で白質の軸索密度低下・皮質のネットワーク構造単純化が生じること、認知機能検査のうち処理速度が成人もやもや病患者の慢性脳虚血障害の程度を最も反映する可能性があること、成人もやもや病患者の認知機能に脳後部の領域が重要である可能性があることを、世界で初めて示すことができました。ABiS・MRI支援(支援担当:青木茂樹)では、NODDIマップの作成や解析に必要なプログラム環境の提供、SPMによる全脳データ解析方法指導の支援を行いました。
プレスリリース(発表雑誌の公式facebookポスト)
【電子顕微鏡支援:大野伸彦(生理学研究所)】[2018.12.12]
澤本和延 教授(名古屋市立大学・生理学研究所)の論文が Science Advances に掲載されました
脳梗塞後の神経再生メカニズムを発見―神経細胞の移動促進により神経機能が改善―
Kaneko N., Herranz-Perez V., Otsuka T., Sano H., Ohno N., Omata T., Nguyen H.B., Thai T.Q., Nambu A., Kawaguchi Y., Garcia-Verdugo J.M., Sawamoto K. New neurons use Slit-Robo signaling to migrate through the glial meshwork and approach a lesion for functional regeneration. Science advances 4, eaav0618 (2018) DOI:10.1126/sciadv.aav0618
<概要>本研究では、マウス脳梗塞モデルにおけるニューロンの再生過程を調べることにより、新生ニューロンから分泌されるSlit1蛋白質が反応性アストロサイトの形態を変化させ、ニューロンの傷害部位への移動と神経回路の機能的な再生を促進することを発見しました。 ABiS・電子顕微鏡支援(支援担当:古瀬幹夫・大野伸彦)では、ミクロトーム組み込み式走査型電子顕微鏡(SBF-SEM)を使用し、アストロサイトの微細形態を観察する支援を行いました。
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