大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 基礎生物学研究所(所在:愛知県岡崎市)は、「大学生のための夏の実習2017」を開催します。8月23日(水)〜8月25日(金)の2泊3日の日程で、基礎生物学研究所にて生物学に関する実習を行います。対象は、生命科学系の大学生、または、生物学に関心を持つ他専攻の大学生です(学部1年生〜4年生どの学年でもOK)。実習を通して、研究所生活を体験すると共に、大学の枠を超えた交流を楽しみませんか?各コースにつきそれぞれ3-4名程度を募集します(応募者多数の場合には、志望理由を元に選考とさせて頂く場合があります)。
8月23日(水)
10:00 - 10:30 受付 (基礎生物学研究所 明大寺地区)
10:30 - 11:30 開校式 (あいさつ・スタッフ紹介・参加者自己紹介)
11:30 - 17:30 コースごとに分かれて実習
18:00 - 交流会
8月24日(木)
10:00 - 17:30 コースごとに分かれて研究室にて実習(終了時間が遅くなるコースもあります)
8月25日(金)
10:00 - 12:30 実習成果発表会(受講生の皆さんによる体験内容の発表)
12:30 - 13:00 閉校式
13:00 - 関心があれば所内の研究室を訪問できます。所内では大学院説明会も開催されます。
対象:生命科学分野を専攻する大学生、または、生物学に高い関心を持つ他専攻の大学生。高等専門学校の4年次以上の方も対象です。
受講料:無料
旅費・宿泊費のサポートはありません。希望者は、研究所の宿舎(一泊2500‾2700円)をご利用いただけます。
オルガネラ(細胞小器官)のはたらきは、それぞれの生物において多様化・特殊化を果たしています。例えば、植物には植物にしかないオルガネラがいくつか存在します。実習では、シロイヌナズナまたはゼニゴケを用いて、植物に特徴的なオルガネラを色々な顕微鏡を使って観察するとともに、オルガネラを操作する方法を考えます。
細胞の中ではタンパク質の結合や酵素反応など様々な化学反応が起こっています。これまでは約100万個くらいの細胞を溶かして細胞の中身を取り出し、生化学的に解析をしてきました。しかし同じ遺伝子背景を持つにもかかわらず1つ1つの細胞には個性があり、別々の運命をたどります(人間みたいですね)。そこで細胞の個性を理解するために、蛍光タンパク質と最新のライブイメージングを利用し、それぞれの哺乳類培養細胞の中で起こっている化学反応を可視化し、細胞の機能や疾病との関連について一緒に考えます。
緑色蛍光タンパク質 (GFP) を発現して光る神経細胞を用いて、蛍光顕微鏡による蛍光観察と画像取得をおこないます。通常の透過光顕微鏡では脳組織中の神経細胞の形態は観察が困難ですが、GFPで光る神経細胞は蛍光顕微鏡により詳細な形態まで浮き彫りにすることができます。神経細胞の美しい姿を実感してください。
ES細胞は体を構成する全ての細胞に分化する能力を備えた多能性細胞です。その特質を活かして、これらを再生医療に役立てようという試みがさかんに行われています。しかし、多能性細胞そのものについては謎がたくさんです。実習ではES細胞の細胞周期に焦点をあて、フローサイトメトリーや顕微鏡を使った解析からES細胞に対する理解を深めましょう!
光シート顕微鏡と呼ばれる最新方式の顕微鏡を自分たちで組み立て、生物の運動を4次元(XYZ+時間)撮影し、3次元再構成ソフトを使ってムービーを作成します。顕微鏡の原理と画像処理の基礎を学びつつ、生物の動きの面白さに触れてみてください。
実習ではまず蒲郡の竹島海岸に出かけ、様々な模様のアサリを採集します。そこで模様のパターンが時間とともにどのように形成されているかについて学びます。次に模様を「音」に変換してみます。模様の形成過程を音に変換することで、どんな音楽が聞こえてくるでしょうか?アサリの模様にも、序奏、主題、変奏等があることが分かります。
ATGCの羅列であるゲノムデータを情報科学的に解析し、隠れた特徴をあぶり出す手法の一つに、文字列を一定長の単語にばらしてその出現頻度統計をとる方法があります。この実習では、様々な生物のゲノム情報における単語の出現頻度を調べて可視化し、ゲノムの領域ごと、および生物種間で比較してみます。
顕微鏡撮影や、タイムラプス撮影の技法を使って、生物現象を撮影し、科学映像をつくってみましょう。編集作業はiMovieで行い、編集用のパソコンやビデオカメラはこちらで用意します。研究のアウトリーチや科学教育活動に関心のある方の参加をお待ちしております。
自然科学研究機構 基礎生物学研究所は愛知県岡崎市にある生物学の研究所です。生命の営みの基本をなす遺伝子の働きや細胞の働きを探ると共に、生物が環境に適応し、そして多様な形と能力を持つに至った仕組みを明らかにすることを目指して研究活動を行っています。総合研究大学院大学 生命科学研究科 基礎生物学専攻として大学院教育も行っています。
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