研究代表者 | 服部 佑佳子(京都大学大学院 生命科学研究科) |
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生物が成長や生殖などの生命活動を行う上で、絶えず変化する環境に適応することは欠かせません。私たちは、自然界で様々な果物を食べる広食性のキイロショウジョウバエと、特定の植物のみを食べる狭食性の近縁種を対比させて、栄養環境に対する生体応答の種間比較オミクス解析を行っています。これまでに、炭水化物の比率に応じた生体応答制御機構の有無が、様々な栄養バランスの餌で成長できるかどうかの鍵となることを明らかにしました(Watanabe et al., Cell Reports, 2019)。本研究では、これらの広食性と狭食性のショウジョウバエを用いて、ヒストンメチル基転移酵素を介したヒストン修飾の制御が高炭水化物食への適応、特に個体成長やオスの生殖機能に果たす役割を解析します。そして、進化の過程で生物が獲得してきたクロマチンレベルでの環境適応機構の解明を目指します。