研究概要

RESEARCH 幹細胞化の分子機構:(7)ING 遺伝子の幹細胞化における機能解析

(今井章裕 元NIBB Research fellow [現・広島工業大学 助教]:久保稔 元グループリーダー[現・奈良先端大学 准教授]らとの共同研究)

今井章裕 NIBB Research fellow は久保稔 元グループリーダーらとともに、化合物ライブラリーを用いたスクリーニングを行い、ヒメツリガネゴケの幹細胞化を阻害する化合物である RIN16B を同定しました。そして、この RIN16B がシロイヌナズナの側根形成過程も阻害することを明らかにしました。では、ヒメツリガネゴケの幹細胞化とシロイヌナズナの側根形成過程にどのような共通のメカニズムがあるのでしょうか。それには、ヒストン修飾を認識するタンパク質をコードする ING 遺伝子が関わることがわかってきました。ING 遺伝子は、動物においてアポトーシス経路を制御することが既に明らかになっています。しかし、植物にはこれに相当するアポトーシス遺伝子経路はありません。植物における ING 遺伝子のはたらきは何なのでしょうか。現在、ING 遺伝子の幹細胞化における分子機構を明らかにしようとしています。