公募要領
新学術領域研究(研究領域提案型)の研究概要
25 動的クロマチン構造と機能 (http://nucleosome.kyushu-u.ac.jp) |
領域略称名:クロマチン動構造 領 域 番 号:3506 設 定 期 間:平成25年度~平成29年度 領域代表者:胡桃坂 仁志 所 属 機 関:早稲田大学理工学術院 |
本領域は、DNA生物学最大の命題である動的クロマチン構造の実体を解明し、生物がDNAを遺伝情報として利用する仕組みについて新しい概念を創出することを目的とする。真核生物において遺伝物質であるDNAは、ヌクレオソームを基盤構造として、タンパク質やRNAと結合した“クロマチン”と呼ばれる分子複合体として、細胞核内に存在している。生物は、クロマチンの動的な変動を介して、複製、転写、組換え、修復を制御している。この“動的クロマチン構造”は、ヒストンバリアントや修飾による多様なヌクレオソーム構造、その並び方の多様性、タンパク質やRNA分子複合体との相互作用などによって生み出され、細胞核構造体、核膜、核膜孔複合体などとの相互作用によって制御されている。そこで本領域では、構造生物学、シミュレーション、生細胞・超解像イメージング、オミクス解析、画像解析、細胞・発生生物学、遺伝学など多岐に渡る手法を結集して、いまだブラックボックスであるクロマチン構造と、それを動的に制御する因子や機構を明らかにすることを目指す。
以下の研究項目について、「計画研究」と目的を共有しつつ、補強または補完する手法や現象を扱う研究を公募する。具体的には、本領域で不足している化学的手法(例えば、化学合成による修飾タンパク質作製法や構造変化を可視化するためのプローブ作製法などを想定)に習熟した研究者や、動的なクロマチン構造をターゲットとした構造生物学的研究、インフォマティクス研究、近年注目されている電子顕微鏡や質量分析を用いたクロマチン研究などの積極的な提案を期待する。さらに、新規な手法を用いて、あるいは斬新なアイデアに基づいて動的クロマチン構造と機能の研究を行おうとする意欲的な提案を歓迎する。また、クロマチン構造と疾病との関係を理解する研究や、その治療を目指した薬剤開発研究をテーマとした、意欲的な研究にも期待したい。
研究項目 | 応募上限額 (単年度) | 採択目安件数 |
A01 動的クロマチン構造と機能 | 500万円 | 12件 |
250万円 | 4件 |