研究者紹介

細胞の目覚めを引き起こす遺伝子制御の基盤となるクロマチンの時間的変化

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細胞はすべてが常に活発に分裂するのではなく、長きにわたり休眠している細胞も多く見られる。そのような休眠状態にある細胞が「目覚め」て分裂を始めるときに、どのようなシステムが働くのかは謎に包まれている。私たちは長期休眠とそこからの打破についてのモデル系として分裂酵母の休眠胞子とその発芽に着目し、休眠打破のメカニズムを追究している。これまでの私たちの研究から、細胞が休眠打破する際にはまずヒストンH3の発現量が減少することが分かった。これはグローバルなクロマチン制御を引き起こし、目覚めに必要な遺伝子の発現を活性化する可能性を強く示唆するものである。本研究では、目覚めにおけるこのようなクロマチンの潜在能を引き出す分子機構を統合的に明らかにするために、先進的なシングルセル・オミクス解析と、伝統的な遺伝学、細胞生物学の手法を交えて研究を展開する。