遺伝子制御の基盤となるクロマチンポテンシャル

領域略称名  クロマチン潜在能
領域番号 7003
設定期間 平成30年度~平成34年度
研究代表者 木村 宏
所属機関 東京工業大学科学技術創成研究院

真核生物のゲノムDNA はクロマチンとして細胞核に存在し、生命活動の根源である遺伝子発現はクロマチンレベルで制御されている。クロマチンの状態は、ヒストン修飾、凝縮状態、核内局在、核内構造体との相互作用など様々な階層で制御されるが、これらがどのように遺伝子発現のされやすさ・されにくさを規定しているのか、という根本的な問題は解決されていない。本研究領域は、クロマチンの構造や状態が潜在的にもつ遺伝子発現制御能力を「クロマチンポテンシャル」という概念で捉え、その実体を明らかにすることを目的とする。大規模なクロマチン構造変換と遺伝子発現変化が起こる初期胚発生や幹細胞分化などの生命現象に着目し、独自技術を用いた生細胞や生体内の蛍光イメージングやオミクス解析、再構成、エピゲノム編集、理論モデリング等、最先端の手法を駆使して、幅広い時空間スケールで解析を行なう。研究領域内連携により、異なる階層をシームレスに連結させ、クロマチンポテンシャルによる遺伝子制御の普遍的概念の提示を目指す。

公募研究では、クロマチンポテンシャルの実体に迫るという研究目的を共有しつつ、既存のクロマチン研究の枠に捉われない独創的な研究、領域内共同研究により大きく発展可能な研究を期待する。特に、数理モデルやシミュレーションによる理論的研究や時系列解析・網羅的解析で得られる大規模データの処理による数理・統計・情報科学的研究を歓迎する。また、計画研究を補強又は補完する研究手法(最先端生体イメージング、新規クロマチン操作技術開発、核酸化学・ゲノム合成など)、研究対象(植物、非モデル生物など)、及び生命現象(再生、高次生命機能など)を扱う研究を期待する。当該研究領域の将来において軸となりうる若手研究者、女性研究者の積極的な応募を期待する。


公募研究(第2期)の募集は終了しました。

Top