3次元STED-FCSで明かすクロマチン潜在能を支える核内微小構造の分子動態

研究代表者 毛利 一成(国立研究開発法人 理化学研究所 生命機能研究センター)
3次元STED-FCSで明かすクロマチン潜在能を支える核内微小構造の分子動態

核質内に存在する細胞膜が存在しない微小器官は古くから知られるが、その大きさは光学限界である300nmと同程度である。共焦点顕微鏡の観察ではz方向の分解能はμmオーダーとなるめ、核内微小構造内の分子動態の観察は困難であった。我々は自ら開発したFCS手法により、オートファジーの前駆体であるPASが相分離により形成される液滴であることを証明した。特に近年、転写活性の場やヘテロクロマチンも相分離により形成される可能性が示唆されてきたが、上記の通りそのサイズは光学限界より小さく、分子同士の強い結合により架橋された構造物か、弱い結合により流動性が維持された相分離液滴か区別できなかった。我々は上記FCS法に3次元STED顕微鏡を組み合わせることで、XYZ~100nmの検出領域内の分子拡散の定量化法確立や、全反射顕微鏡による1分子動態計測法の確立を目指し、クロマチンにおける相分離液滴の形成能の検証をする。

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