核内RNAボディによるクロマチン制御と熱ストレス応答

研究代表者 秋光 信佳(東京大学アイソトープ総合センター)
連携研究者 小野口 玲菜(東京大学アイソトープ総合センター)
核内RNAボディによるクロマチン制御と熱ストレス応答

熱ストレスに対して正常に応答し、生体内の恒常性を保つことは生物の生存において必要不可欠です。熱ストレス下では細胞全体として翻訳が抑制されるため、これまでは限られたリソースで効率よく応答できるタンパク質の翻訳後制御に焦点が当てられてきました。しかしながら、熱ストレス応答におけるクロマチン制御機構については不明な点が多く残されているのが現状でした。そのような中で我々は、タンパク質に翻訳されない長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)と呼ばれる機能性RNAに着目して研究を進めてきました。その過程で「通常は核スペックルに局在するMALAT1 lncRNAが熱ストレスに応答して核スペックルから離脱し、新規核内構造体(HiNoCo bodyと命名)を形成する」という新しい現象を発見しました。本研究では、HiNoCo bodyを介したクロマチン制御の分子機構を解明することにより、従来の熱ストレス応答モデルでは想定されていなかった新しいクロマチンポテンシャル制御機構の提唱を目指します。

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