転写リプログラミングにおけるクロマチン構造変化の階層的理解

研究代表者 宮本 圭(近畿大学 生物理工学部)

*計画研究代表として参加する新規領域が採択されたため、当領域での研究課題は2020年6月末に中止となりました。

転写リプログラミングにおけるクロマチン構造変化の階層的理解

生殖細胞系列や胚発生初期において発現が誘導される遺伝子の多くは、後の発生過程においてその発現が強固に抑制されることが知られています。これらの遺伝子の抑制は、長い発生の時間を経て、幾重にもクロマチンレベルの抑制機構が働くことによって可能となります。通常、強固に発現抑制した遺伝子の活性化を誘導することは困難ですが、体細胞核をカエル卵母細胞内に移植し、初期化を誘導することによって、24時間以内に抑制遺伝子の活性化が観察されます。これを転写リプログラミングとよび、クロマチンレベルで発現抑制を受けた遺伝子が再活性化される仕組みを知る上で意義深い現象です。本研究では、転写リプログラミングにともなうクロマチン構造の階層的変化を理解し、体細胞核のヘテロクロマチンがユークロマチン化する分子機序の解明を目指します。また、クロマチン構造に影響を与える新規因子である核アクチンの役割についても理解を深めます。

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