クロマチンによる外的環境記憶と老化速度制御機構

研究代表者 早野 元詞(慶應義塾大学医学部 眼科学教室)
クロマチンによる外的環境記憶と老化速度制御機構

老化に伴ってヒストンやDNA修飾が変化し、クロマチン凝集が変化することからエピゲノムによる遺伝子発現制御が老化において重要であることが示唆されてきました。しかしながら「老化速度」を規定する分子機序が明らかになっておりません。老化速度には個人差があり、食事や運動などによる介入によって寿命延長や老化関連疾患抑制が報告されています。我々は老化速度や老化関連疾患の発症タイミングと、エピゲノム記憶、そしてエピゲノム記憶制御による老化の可逆性に興味をもち、新しくDNA損傷ストレス誘導型エピゲノム変動による早老症モデルマウス(ICEマウス)を構築しました。ICEマウスでは若齢期における短期的な遺伝子変異非依存的なDNA損傷ストレスが老化速度を加速させ、記憶、筋力、骨、代謝など様々な臓器に影響が徐々に生じます。本研究課題では老化速度を規定している分子機序について、様々な先生方と連携し明らかにしていきたいと思います。

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