クライオ蛍光顕微鏡による細胞核内構造の超微細イメージング

研究代表者 藤芳 暁(東京工業大学 物理学系)
クライオ蛍光顕微鏡による細胞核内構造の超微細イメージング

近年、生物顕微鏡は飛躍的に進歩しています。しかし、その中に、細胞内部の生体分子同士の相対位置を画像化できる顕微鏡は存在しません。そこで、我々は 15年かけて、クライオ蛍光顕微鏡の開発をおこなってきました。その結果、2017 年に、蛍光色素 (ATTO647N)の三次元位置を精度 1 nm で1分子観察することに世界ではじめて成功しました。本課題ではこの技術を応用して、前人未踏の細胞核内部の分子イメージングを実現します。

下の図は、(A)ヌクレオソームの大きさ11 nmに対して、(B)生理条件の超解像蛍光顕微鏡と(C)クライオ蛍光顕微鏡の位置精度を球で表したものです。超解像蛍光顕微鏡の位置精度は20 nmなので、その語感からはヌクレオソーム同士の立体配置を観察可能に思えます。しかし実際には、下の図のように、それは不可能です。一方、クライオ蛍光顕微鏡の位置精度は1 nmなのでヒストン8量体の立体構造を観察できる可能性すら持っています。ご期待ください。

クライオ蛍光顕微鏡による細胞核内構造の超微細イメージング
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