生物機能情報分析室では、次世代 DNA シーケンシング技術をベースとした統合ゲノミクス共同研究を遂行しています。この度、研究推進において強力な武器になる 10x Genomics 社の Chromium™️ が導入されました。そこで下記内容で機器の紹介・説明を含む、テクニカルセミナーを開催いたします。
開催日時:2017 年 3 月 29 日(水)13:10 ~ 15 :10
会場:基礎生物学研究所・会議室(111 – 112 室)
Chromium とは:10X Genomics 社 Chromium システムは、分子バーコードとマイクロエマルジョン作成技術を利用するイルミナ社 NGS 用の前処理装置です。シングルセルから NGS ライブラリーを調製する際に、細胞毎に異なる分子バーコードを付加することで、数千〜数万細胞のシングルセル RNA-seq を実現しました。集団を構成する個々の細胞の発現プロファイルの解析だけでなく、割合が 1 %以下のレアな細胞の解析も可能です。さらにゲノム/エクソン解析では、ショートリードの情報から、ハプロタイプ毎に分けられた切れ目の無い配列情報(phase block)を得ることができ、数 10 MB の phase block から、ゲノム scaffold の super scaffolding や、これまで難しかった大きな構造変異(欠失、挿入、転座、融合、など)を解析できます。本セミナーでは、技術的な説明とあわせて解析例をご紹介させて頂きます。
プログラム:
13:10-13:15 挨拶
重信秀治
13:15-13:35 「極長鎖DNAシーケンシングに向けての現状と挑戦」
山口勝司
13:35-13:55 「シングルセルトランスクリプトーム解析の現状」
新分野創成センター ブレインサイエンス研究分野 特任准教授 郷康広
13:55-14:55 「10x Genomics社Chromiumシステムのご紹介」
株式会社スクラム 掛谷知志
14:55-15:10 質疑応答
本機器は新学術領域研究「個性創発脳」プロジェクトにより郷康広先生からご導入いただきました。