テクニカルセミナー:「できる!シングルセル RNA-seq」を開催します

皆様

 最近、多数の細胞のトランスクリプトームをシングルセル単位で一気に解析する、
single cell RNA-seq (scRNAseq) が注目されています。次世代シーケンシングのた
めの環境整備の一環として、私たち基生研・生物機能情報分析室にも、10x Genomics 社 Chromium と、Fluidigm 社 C1 といった、 scRNAseq 解析を行うための最先端機器が
すでに配備されています。これらの機器を活用した scRNAseq 研究を推進するため、この度、両社の技術担当の方々をお迎えして、scRNAseq にテーマを絞ったテクニカルセミナーを開催いたします。

「できる!シングルセル RNA-seq」

日時:2019 年 2 月 26 日(火)14:00 ~ 16:00

場所:基礎生物学研究所・会議室 ( 111 – 112 室)

プログラム
14:00 – 14:10  イントロダクション
                                  重信秀治

14:10 – 15:00  10x Genomics Chromium システム によるシングルセル RNA-seq
                           10x Genomics 大崎研氏

15:00 – 15:50  Fluidigm C1 システム によるシングルセル RNA-seq
                         フリューダイム 中島達郎氏

15:50 – 16:00  質疑応答

連絡先
基礎生物学研究所・生物機能解析センター・生物機能情報分析室
担当:山口勝司・尾納隆大( ex. 7670 )

ゲノムインフォマティクス・トレーニングコース GITC 2019 夏 を開催します

基礎生物学研究所は、ゲノムインフォマティクス・トレーニングコース GITC 2019 夏を開催します。

RNA-seq 入門– NGSの基礎から de novo 解析まで–
1. 準備編:UNIX・R・NGSの基本 2019年5月16日~17日
2. 実践編:RNA-seq解析パイプライン 2019年5月30日~31日

申込開始予定日:2019年2月8日
申込締切日:2019年3月31日 ※申し込みは終了しました

詳細は下記URL をご覧ください。

http://www.nibb.ac.jp/gitc/2019-2nd/index.html


プレスリリース:冬眠ハムスターの白色脂肪組織に冬支度の秘密をみる

冬眠ハムスターの白色脂肪組織に冬支度の秘密をみる
~肥満や生活習慣病予防へも新たな視座~

北海道大学
東京大学
自然科学研究機構 基礎生物学研究所

北海道大学低温科学研究所の山口良文教授,東京大学大学院薬学系研究科大学院生(当時)の茶山由一氏,三浦正幸教授,自然科学研究機構基礎生物学研究所の重信秀治准教授,福山大学薬学部の田村豊教授らの研究グループは,餌を貯蔵しながら冬眠する哺乳類シリアンハムスターが,冬眠時,エネルギーを蓄える機能をもつ白色脂肪組織において,脂肪を合成する同化系と分解する異化系の両方を著しく増強させることを解明しました。

冬眠する哺乳類は,長い冬眠の間,体内に貯蔵した大量の脂肪を効率的に燃焼させてエネルギーを取り出すと考えられていますが,その仕組みは多くの点が不明です。本研究の成果は,この仕組みに迫ることで肥満症や生活習慣病の理解にも新たな視座を与えうるものです。

なお,本研究は科学技術振興機構さきがけ(JPMJPR12M9),日本学術振興会科学研究費補助金(JP16H05127,JP16K15114,JP18K19321,JP26110005),細胞科学研究財団,かなえ医薬振興財団, 武田科学振興財団,積水化学自然に学ぶものづくり研究助成,他の支援を受けて行われました。また,本研究成果は,英国時間2019年1月28日(月)午前10時公開のFrontiers in Physiology誌(生理学の専門誌)に掲載される予定です。

論文タイトル:Molecular basis of white adipose tissue remodeling that precedes and coincides with hibernation in the Syrian hamster, a food-storing hibernator(餌貯蔵型冬眠動物シリアンハムスターが示す,冬眠に先行しかつ一致する白色脂肪組織リモデリングの分子基盤)

著者名:茶山由一1,安藤理沙1,佐藤佑哉1重信秀治2,姉川大輔1,藤本貴之1,泰井宙輝1,田村 豊3,三浦正幸1,山口良文41東京大学大学院薬学系研究科 遺伝学教室,2基礎生物学研究所,3福山大学薬学部,4北海道大学低温科学研究所 冬眠代謝生理発達分野)

DOI: 10.3389/fphys.2018.01973

詳しくは以下のページをご覧ください。
http://www.nibb.ac.jp/press/2019/01/28.html

テクニカルセミナー:質量分析計テクニカルセミナーを開催しました

 2018 年 12 月 21 日に、現有機器、超高分解能フーリエ変換型質量分析装置 Orbitrap Erite の活用を目的としたテクニカルセミナーを開催しました。

 分析室ではタンパク質解析ソフトを昨年度末にバージョンアップいたしました。
これにより、【ノンラベルタンパク質定量】の強化及び【クロスリンク試薬を用いたタンパク質相互作用解析】ができるようになりました。

 今回のテクニカルセミナーでは、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社の担当者の方に、質量分析計の基礎および Orbitrap テクノロジーの紹介とともに、プロテオミクスやメタボロミクスなどのオミクス研究への活用例など、最新研究に関する情報についてもご紹介いただきました。

 セミナーには 26 名の方が参加され、質疑応答も活発に行われました。また、セミナー終了後の個別のアプリケーション相談会には 2 組の方が参加されました。参加者の方々はそれぞれの疑問が晴れたようで、有意義な相談会になりました。

181221_質量分析計テクニカルセミナー
質量分析計テクニカルセミナーの様子
質量分析計テクニカルセミナーのチラシ


ゲノムインフォマティクス・トレーニングコース(GITC)2019 春 を開催します

基礎生物学研究所は、ゲノムインフォマティクス・トレーニングコース(GITC)2019 春 を開催します。

RNA-seq 入門 – NGS の基礎から de novo 解析まで –
準備編:「UNIX・R・NGS の基本」2019 年 2 月 21 日 – 22 日
実践編:「RNA-seq 解析パイプライン」2019 年 3 月 14 日 – 15 日

申込開始予定日:2018 年 11 月上旬頃
申込締切日:2019 年 1 月 6 日(日)

詳細は下記 URL をご覧ください。サイドメニューのバナーからも同 URL へアクセス可能です。

http://www.nibb.ac.jp/gitc/2019-1st/(申込受付中) * 申し込みは終了しました

プレスリリース:ホタルのゲノム解読に成功

ホタルのゲノム解読に成功
〜ホタルの光の遺伝子の進化が明らかに〜

自然科学研究機構 基礎生物学研究所
中部大学

基礎生物学研究所の重信秀治特任准教授と中部大学の大場裕一准教授、別所学博士らの研究グループは「ヘイケボタル」のゲノムの解読に成功しました。また米国マサチューセッツ工科大学(MIT)と共同で、米国産ホタル「フォティヌス・ピラリス」のゲノムも解読しました。両者のゲノムを比較することにより、ホタルの仲間がどのように光る能力を手に入れたのか、その歴史の詳細が初めて明らかになりました。ホタルの発光は、ルシフェラーゼと呼ばれる酵素とルシフェリンと呼ばれる基質が反応することによって光を発生することが知られています。今回の研究により、進化の過程でホタルがどのようにして発光に必要なルシフェラーゼ遺伝子を獲得したのかが判明しました。

光らない生物でも普遍的に持っている、アシルCoA合成酵素と呼ばれる脂肪酸代謝酵素の遺伝子が進化の過程で何度も重複を起こして複数のコピーが存在するようになり、そのひとつが発光活性を持つルシフェラーゼに進化したことがわかりました。さらに、ルシフェラーゼはもう1度遺伝子重複を起こし、ひとつはホタルの成虫の発光器官で、他方は卵と蛹で発光するように進化したこと、そしてこれらのイベントが1億年以上前に起こったことがわかりました。また、研究グループは、ホタルと近縁な発光昆虫ヒカリコメツキのゲノムも解読し、この昆虫のルシフェラーゼもアシルCoA合成酵素を起源としているものの、ホタルとは独立に発光の能力を獲得したことも明らかにしました。近年、環境保全の観点からもホタルは注目されていますが、今回明らかにしたホタルのゲノム情報はその基盤情報としても重要です。

本成果は,eLife誌に2018年10月16日付で掲載されました。

論文タイトル:Firefly genomes illuminate parallel origins of bioluminescence in beetles

著者:Timothy R. Fallon, Sarah E. Lower, Ching-Ho Chang, Manabu Bessho-Uehara, Gavin J. Martin, Megan Behringer, Humberto J. Debat, Isaac Wong, John C. Day, Christian J. Silva, Kathrin F. Stanger-Hall, David W. Hall, Robert J. Schmitz, David R. Nelson, Sara M. Lewis, Shuji Shigenobu, Seth M. Bybee, Amanda M. Larracuente, Yuichi Oba, Jing-Ke Weng

DOI: 10.7554/eLife.36495

詳しくは以下のページをご覧ください。
http://www.nibb.ac.jp/press/2018/10/16.html