【電子顕微鏡支援:村田和義(生理学研究所)】[2017.12.12]
宮川剛 教授(藤田保健衛生大学)の論文が Molecular Brain に掲載されました


Nakao A., Miyazaki N., Ohira K., Hagihara H., Takagi T., Usuda N., Ishii S., Murata K., Miyakawa T. Immature morphological properties in subcellular-scale structures in the dentate gyrus of Schnurri-2 knockout mice: a model for schizophrenia and intellectual disability. Mol Brain 10, 60 (2017)DOI:10.1186/s13041-017-0339-2

<概要>本研究では、統合失調症および知的障害のモデルと考えられる Schnurri-2ノックアウトマウスにおいて、脳の海馬歯状回における未成熟な形態学的特徴を示すことに成功しました。ABiSE08クライオ電子顕微鏡支援 (支援担当:村田和義)では、Shn2 KOマウスの脳海馬歯状回顆粒細胞における細胞内構造の3次元形態解析を、連続ブロック表面走査型電子顕微鏡(SBF-SEM)を使って支援を行いました。 この結果、Shn2 KOマウスでは、スパインの長さの増加および直径の減少からなる未成熟樹状突起の形態が見られました。また、核の体積およびくびれたミトコンドリアの数の有意な減少、細胞体の密度の上昇も見られました。

【電子顕微鏡支援:村田和義(生理学研究所)】[2016.11.04]
鈴木大介 准教授(信州大学)の論文が Langmuir に掲載されました


Watanabe T., Kobayashi C., Song C., Murata K., Kureha T., Suzuki D. Impact of Spatial Distribution of Charged Groups in Core Poly(N-isopropylacrylamide)-Based Microgels on the Resultant Composite Structures Prepared by Seeded Emulsion Polymerization of Styrene. Langmuir 32, 12760-73 (2016)DOI:10.1021/acs.langmuir.6b03172

<概要>本研究では、機能性ゲル微粒子の高度な合成技術を確立し、薬剤やタンパク質と相互作用する電荷を帯びた部位や疎水性領域を、ゲル微粒子の中心部、ゲル微粒子の表面、ゲル微粒子の半球へと自由に局在化させることに成功しました。ABiSE08クライオ電子顕微鏡支援 (支援担当:村田和義)では、2種類のヒドロゲル微粒子を急速凍結して薄いガラス状の氷の膜に閉じ込め、生理研が保有するクライオ電子顕微鏡を用いて撮影することにより、水和した状態に近いヒドロゲル微粒子の構造を観察する支援を行いました。

【電子顕微鏡支援:村田和義(生理学研究所)】[2017.10.24]
中村彰彦 助教(分子科学研究所)の論文がPhysical Chemistry Chemical Physics に掲載されました


Nakamura A., Tasaki T., Okuni Y., Song C., Murata K., Kozai T., Hara M., Sugimoto H., Suzuki K., Watanabe T., Uchihashi T., Noji H., Iino R. Rate constants, processivity, and productive binding ratio of chitinase A revealed by single-molecule analysis. Phys Chem Chem Phys (2017)DOI:10.1039/c7cp04606e

<概要>本研究では、1分子蛍光イメージングという手法でキチナーゼがキチンを分解する様子を調べることにより、キチナーゼがキチンに結合して、キチンを分解しながら移動し、最後にキチンから離れるという酵素反応素過程を明らかにしました。ABiSE08クライオ電子顕微鏡支援 (支援担当:村田和義)では、溶液中に近い状態のキチン結晶の電顕トモグラフィー解析を行い、結晶中におけるキチン分子の向きとその大きさを決める支援を行いました。

【電子顕微鏡支援:小池正人(順天堂大学)】[2017.11.02]
山中宏⼆ 教授(名古屋大学)の論文がScientific Reports 電子版 に掲載されました


加齢と認知症で加速する新たな神経細胞死を発見 ~アンチエイジングや神経疾患治療薬の開発に期待~

Tsuiji H., Inoue I., Takeuchi M., Furuya A., Yamakage Y., Watanabe S., Koike M., Hattori M., Yamanaka K. TDP-43 accelerates age-dependent degeneration of interneurons. Scientific Reports (2017)DOI:10.1038/s41598-017-14966-w

<概要>本研究では、TDP-43が異常に蓄積する前頭側頭葉変性症モデルマウスを作出し、今まで知られていなかった海馬の抑制性介在ニューロンの加齢依存性の神経細胞死を新たに発見しました。ABiS電子顕微鏡支援(支援担当:小池正人)では、凍結超薄切片法(徳安法)を用いた光顕-電顕相関観察法により、同マウスの抑制性介在ニューロンにおける凝集体マーカーp62/SQSTM1の免疫電顕の支援を行いました。

プレスリリース プレスリリース(名古屋大学のサイト)

【光学顕微鏡支援担当:東山哲也(名古屋大学)】[2017.07.25]
山口茂弘 教授(名古屋大学)の論文がJournal of the American Chemical Society に掲載されました


超解像イメージングで細胞内の微細構造を視続ける ~生命科学研究者にとって待望の超耐光性蛍光標識剤を開発~

Wang C., Taki M., Sato Y., Fukazawa A., Higashiyama T., Yamaguchi S. Super-Photostable Phosphole-Based Dye for Multiple-Acquisition Stimulated Emission Depletion Imaging. Journal of the American Chemical Society (2017)DOI:10.1021/jacs.7b04418

<概要>本研究では、極めて褪色に強く、様々な生体分子と共有結合可能な蛍光標識剤PB430の開発に成功しました。超耐光性PB430を用いることにより、 褪色防止剤を使用しなくても3D-STEDが得られます。また、耐光性を利用した新たなマルチカラーSTEDイメージング手法も確立することに成功しました。ABiS・光学顕微鏡支援(支援担当:東山哲也・佐藤良勝)では超解像イメージングを支援しました。

プレスリリース プレスリリース(名古屋大学のサイト)

【MRI支援:青木茂樹 (順天堂大学)】[2017.07.21]
竹田和良 医師(国立精神・神経医療研究センター病院)の論文が NeuroImage: Clinical に掲載されました


興味や意欲に関わる内発的動機づけに重要な脳領域の異常が統合失調症で明らかに
-統合失調症患者では外側前頭前野の脳活動異常が認められる-

Takeda K., Matsumoto M., Ogata Y., Maida K., Murakami H., Murayama K., Shimoji K., Hanakawa T., Matsumoto K., Nakagome K. Impaired prefrontal activity to regulate the intrinsic motivation-action link in schizophrenia. NeuroImage: Clinical 16, 32-42 (2017)DOI:10.1016/j.nicl.2017.07.003

<概要>統合失調症における内発的動機づけ障害がどのようなメカニズムで生じているのか、内発的動機づけを引き出す課題を用いて、健常者と統合失調症患者の課題中の脳活動と行動の特徴を比較解析することで検証しました。その結果、統合失調症患者では、内発的動機づけに基づいて適切に目的行動を調整する外側前頭前野の脳活動に異常が生じていることを初めて発見しました。ABiS・MRI支援(支援担当:下地啓五)では脳画像解析の一部を支援しました。

【画像解析支援担当:内田誠一(九州大学)】[2017.03.14]
木村暁 教授(国立遺伝学研究所)の論文がNature Cell Biologyに掲載されました


流行が作られるしくみ「同調現象」を、細胞の中で発見―細胞質流動の生成と逆転のメカニズム―

Kenji Kimura, Alexandre Mamane, Tohru Sasaki, Kohta Sato, Jun Takagi, Ritsuya Niwayama, Lars Hufnagel, Yuta Shimamoto, Jean-François Joanny, Seiichi Uchida, and Akatsuki Kimura. “Endoplasmic Reticulum-Mediated Microtubule Alignment Governs Cytoplasmic Streaming” Nature Cell Biology (2017) DOI:10.1038/ncb3490

<概要>本研究では、動物細胞である線虫受精卵における細胞質流動中の微小管や小胞体の挙動を調べることにより、細胞表層で網目状に広がる小胞体が微小管上をキネシン依存的に運ばれることが、流動の生成や逆転を引き起こすことを発見しました。
ABiS・画像解析支援(九大・内田教授)では、動画像から微小管や流動場を検出し、微小管の方向と流動の方向の相関を定量的に評価する支援を行いました。

プレスリリース プレスリリース(遺伝研サイト)

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