共同利用研究・マウス精子凍結保存
モデル動物研究支援施設では、研究者の要望に応じ、基礎生物学研究所共同利用研究を通してマウスの精子凍結を受託しています。精子凍結の詳細は下記ホームページを参照してください。
1.マウス凍結精子作製の申請
依頼者は、基礎生物学研究所・モデル動物研究支援施設(以下、モデル動物施設)のホームページより、マウス凍結精子申込書を作成し、以下の書類(b-c;依頼者の動物施設に問い合わせてください)と併せてモデル動物施設(marf(at)nibb.ac.jp;*(at)を@に替えてください)に提出して事前打ち合わせを受けてください。その後、下記ホームページより、所内対応者を作田拓助教として個別共同利用研究にお申し込みください。
基礎生物学研究所/共同利用研究
a)マウス凍結精子申込書
*精子凍結に用いる雄マウスは、12週齢(3ヵ月齢)以上、24週齢(6ヵ月齢)
以下の個体で、交配経験があり、生殖能力が確認されているものを原則としま
す。モデル動物施設へ輸送する1週間前より、当該マウスは1匹飼いにしてくだ
さい。
*各入力項目において、【要相談】に該当する場合は、申請手続きを進める前に、
必ずモデル動物施設へご連絡ください。条件によっては、対応できない場合も
ございます。
*正式なマウス系統名とは別に、精子ストローに明記する略称についても、お知ら
せください。その記入スペースには限りがございますので、10文字程度が望まし
いです。
*サンプルの輸送手段として、「マウス個体での輸送」、もしくは「精巣上体尾部
の低温輸送」のどちらかを選択してください。「マウス個体での輸送」の場合、
ラックの収納スペースの都合上受 け入れる匹数に上限を設けることがございま
す。また、「精巣上体尾部の低温輸送」においては、サンプルの保存期間を考慮
し、最大4匹までとします。
*作製した凍結サンプルの対応について、お知らせください。「自施設への返送
」、もしくは「IBBPセンター(Interuniversity Bio-Backup Project for Basic
Biology:大学連携バイオバックアッププロジェクト)の利用」のどちらかを
選択する。「自施設への返送」の場合、必要に応じて、ドライシッパーの貸し出
しも行っております。
マウス精子凍結申込書
b)当該マウスの飼育室の微生物モニタリング検査成績書
*モデル動物施設が指定する、以下の14項目について検査されていることが必須。
項目が満たされていない、もしくは結果が陽性の場合は要相談。当該成績書を
用意できない場合も同様です。
◎ Corynebacterium kutscheri ネズミコリネ菌 |
◎ Salmonella spp. サルモネラ |
◎ Clostridium piliforme ティザー菌 |
◎ Mycoplasma pulmonis 肺マイコプラズマ(培養検査) |
◎ Mycoplasma pulmonis 肺マイコプラズマ(血清反応検査) |
◎ Ectromelia virus エクトロメリアウイルス |
◎ Lymphocytic choriomengitis virus リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス |
◎ Mouse hepatitis virus マウス肝炎ウイルス |
◎ Sendai virus センダイウイルス |
◎ Citrobacter rodentium 腸粘膜肥厚症菌 |
◎ Pasteurella pneumotropica 肺パスツレラ |
◎ Ectoparasites 外部寄生虫 |
◎ Intestinal protozoa 消化管内原虫 |
◎ Pinworm 蟯虫 |
*「マウス個体での輸送」、「精巣上体尾部の低温輸送」のどちらにせよ、直近の
微生物モニタリング検査成績書を用意してください。
c)実験動物授受のための動物健康及び飼育形態調査レポート(国動協様式4号)
d)「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に基づく情報提供書類
情報提供書(IBBPフォーマット)
2.依頼者からのマウス輸送
◆申請認可後、モデル動物施設との間で、マウス搬入について打ち合わせをしてくだ
さい。複数の候補日の中から、希望する輸送日を選択してください。
◆サンプルの輸送業者は、依頼者が手配し、その詳細(モデル動物施設への到着時
間、業者名など)が確定次第、モデル動物施設へご連絡ください。輸送にかかる
費用については、依頼者側の負担とします。
◆「マウス個体での輸送」における輸送箱は、エコンアーク・小タイプ(400×400
×200mm)を推奨します。輸送時、オス同士の闘争を避ける上でも、箱内に仕切り
板(Sタイプ)を設け、1匹飼いにしてください(各々に飼料と寒天を用意)。な
お、同じ輸送箱に、異なるマウス系統を収納する場合、耳カットなどの方法で個体
識別ができる様にしてください。
◆「精巣上体尾部の低温輸送」においては、CARD冷蔵輸送キット(九動株式会社)
を必ず使用してください。輸送後、その返却を希望する場合は、予め要連絡(着払
いで返送)。また、輸送時の温度トラブル時に備え、必要に応じて、ボタン型温度
記録計(サーモクロンGタイプ:KNラボラトリーズ)を用意してください。必ず冷
蔵便で輸送すること。なお、複数の異なるマウス系統を輸送する場合、精巣体尾部
チューブのフタに番号を記入するなど、各々が区別できる様にしてください。
3.凍結精子サンプルの作製
◆精子の凍結処理には、FERTIUP®-精子凍結保存液を使用します。
◆1匹の雄マウスからは、10本程度の精子ストローを作製します。各々の精子ストロ
ーには、凍結日、ならびにマウス系統名(10文字程度の略称)を明記します。
◆作製した凍結精子サンプルは、トライアングルカセット(145mm:マイサイエン
ス Cat.No16981)に入れて保存します。
4.凍結精子サンプルの保存
◆作製後の対応として、「自施設への返送」、もしくは「IBBPセンター
(Interuniversity Bio-Backup Project for Basic Biology:大学連携バイオバック
アッププロジェクト)の利用」のどちらかを選択してください。その手続きが完了
するまでは、モデル動物施設で凍結精子サンプルを保存します。
◆「自施設への返送」を希望する場合、必要に応じて、モデル動物施設のドライシッ
パーをお貸しします。ただし、輸送業者については、依頼者が手配してください。
その詳細(輸送日時や業者名など)が確定次第、モデル動物施設へご連絡願いま
す。また、自前のドライシッパーをご用意いただいても構いません。その場合、
サンプルの作製後、速やかに返送手続きが進められる様、事前にモデル動物施設へ
送付してください。
◆IBBPセンターの利用手続きは、当該センターのホームページより、各種申請・
申し込みを行ってください。不明な点につきましては、IBBPセンター職員へ
お問い合わせください。
基礎生物学研究所 IBBPセンター -バックアップ保管について