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吉崎悟朗

研究の概要

 サケ科魚類には一回繁殖と多回繁殖の魚種が存在する。研究代表者は、多回繁殖のニジマスでは成熟生殖腺中に多数の生殖幹細胞(GSC)が存在しているのに対し、一回繁殖型のヤマメ雌では、繁殖期後の斃死直前の個体が持つ卵巣からGSCが完全に消失していることを明らかにした。さらに、ニジマスのGSCを移植したヤマメの中には、繁殖期後も生残し、再繁殖可能な個体が出現することも見出した。このことはニジマスGSCがヤマメ生殖腺内で自律的に増殖、生存したとともに、これがヤマメ宿主の寿命を延長した可能性を示唆している。そこで本課題では、これら種間で繁殖回数の違いを生み出すGSCの挙動を、形態学的な手法と移植実験の組み合わせで明らかにする。さらに、異種間GSC移植により、一回繁殖種由来の生殖細胞をもつ多回繁殖種、あるいはその逆を種々の組み合わせで作出し、GSCの挙動を解析する。これにより、GSCの挙動は完全に細胞自律的なのか、あるいは体細胞環境の影響も受けているのかを明らかにする。続いて、この両繁殖型を生み出すGSC自律的な制御機構と生殖腺を構成する体細胞からの非自律的制御機構を解明する。さらに得られた宿主魚の繁殖後斃死率を解析することで、GSCの性質と宿主の寿命の関係を明らかにする。

研究の概要_吉崎

























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