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    “凍結精巣に含まれる配偶子幹細胞から生きた魚類個体の作出に成功”

     吉崎悟朗(東京海洋大学 教授)の研究グループは、ニジマスの精巣を液体窒素内で凍結保存する方法を開発し、解凍後の精巣から単離した精原細胞を孵化直後のニジマス宿主へと移植することで、この宿主が雄の場合は凍結細胞に由来する機能的な精子を、雌の場合は凍結細胞由来の機能的な卵を生産することを明らかにしました。さらに、凍結精巣由来の細胞を移植した雌雄を交配することで、凍結細胞を起源とする正常な次世代個体を生産することに成功しました。

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     近年、乱獲や環境破壊により多くの魚種が絶滅の危機に瀕しています。一般に絶滅危惧種の遺伝子資源を保存する方法としては卵や精子、さらには胚の凍結保存が挙げられますが、魚類の卵はサイズが大きいうえ、脂肪分に富むため、卵や胚の凍結保存研究は全く進んでいませんでした。今回の研究で開発した技術を用いることで、絶滅危惧種の精巣を凍結しておきさえすれば、たとえ当該種が絶滅した場合でも、現存する近縁種に凍結細胞を移植し、絶滅種の卵や精子を、ひいては受精を介して“生きた魚類個体”をいつでも再生することが可能になりました。

    「発表雑誌」
    Proc Natl Acad Sci USA (2013)
    タイトル:“Generation of functional eggs and sperm from cryopreserved whole testes.”
    著者:Seungki Lee, Yoshiko Iwasaki, Shinya Shikina, and Goro Yoshizaki  >> 詳細

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    東京海洋大学 トピックス

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