哺乳類細胞核内における内部構造と高次クロマチンおよびドメインの実体やそのダイナミックな構造変換による核内イベントの制御やクロマチンドメインの形成について、新たな技術の確立を含め、これまでに独自に開発・改良を行ってきた視覚的解析技術でひもとき、核の高次構造の構築と生命現象機能発現への関与の統合的理解に貢献する。具体的には、複製タイミングの決定要因と核内配置、複製開始点と核マトリックスの結合、ストレス応答遺伝子転写制御における核マトリックスの役割と核内ストレスボディの関与等について分子イメージングを駆使して解析する。また、修復因子PARPと結合する複製フォーク因子の同定や、PARPによる複製フォークの進行速度制御とこの際の核内ヌクレオチドプール、修復因子の役割を明らかにし、新規複製フォーク進行制御モデルを提示する。DT40KO細胞の利用、クロマチンファイバー解析も行う。セントロメアやテロメアの複製、ドメイン形成とエピジェネティクスについても解析する。核のダイナミックな機能、高次クロマチンダイナミクスを通じて生命現象の理解に迫りたい。
|